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[59] 気候変動下の都心市街地におけるSSP・RCP別将来像を対象とした温熱環境シミュレーション
-名古屋市中区錦二丁目地区に着目して
キーワード:気候変動適応、まちづくり、CFD解析、3D都市モデル
昨今の地区スケールのまちづくりにおいては、将来的な気候変動の影響を考慮した中長期的な計画を持つことが求められる。本論文は都心市街地の対象地区におけるSSP・RCPに基づく将来の市街地形態と気象条件を予測し、それらの3Dモデルを対象とした温熱環境シミュレーションを実施した。ケーススタディ対象地として愛知県名古屋市中区錦二丁目地区を選定し、2021年、2030年、2050年、2090年の夏季日中の屋外空間を対象とした複数のシナリオ下における温熱環境をCFD解析により再現した。対象地のSSP別の市街地形態については同地区のまちづくりに関わる専門家を中心としたエキスパートジャッジメントによって将来変容を予測し、RCP別の気象条件については全球気候モデル(GCM)の将来気候データを参照して導出した。SSP1-2.6(持続可能シナリオ)と比較してSSP5-8.5(化石燃料依存シナリオ)では21世紀末に高層建築物が乱立する将来像を想定した結果、気温上昇と建築側面からの日射反射等が相まって市街地の温熱環境が悪化する状態が解析により確認された。