2022年度全国大会(第57回論文発表会)

講演情報

都市計画論文

講演番号[54]-[62]

2022年12月3日(土) 13:30 〜 16:40 第V会場 (8号館 825教室)

司会:吉江 俊(早稲田大学)、客野 尚志(関西学院大学)、岩見 達也(国土技術政策総合研究所)

15:20 〜 15:40

[59] 気候変動下の都心市街地におけるSSP・RCP別将来像を対象とした温熱環境シミュレーション

-名古屋市中区錦二丁目地区に着目して

○山崎 潤也1、増渕 正博2、若月 泰孝3、飯塚 悟4、吉田 崇紘1、似内 遼一1、真鍋 陸太郎1、村山 顕人1 (1. 東京大学、2. アルテアエンジニアリング(株)、3. 茨城大学、4. 名古屋大学)

キーワード:気候変動適応、まちづくり、CFD解析、3D都市モデル

昨今の地区スケールのまちづくりにおいては、将来的な気候変動の影響を考慮した中長期的な計画を持つことが求められる。本論文は都心市街地の対象地区におけるSSP・RCPに基づく将来の市街地形態と気象条件を予測し、それらの3Dモデルを対象とした温熱環境シミュレーションを実施した。ケーススタディ対象地として愛知県名古屋市中区錦二丁目地区を選定し、2021年、2030年、2050年、2090年の夏季日中の屋外空間を対象とした複数のシナリオ下における温熱環境をCFD解析により再現した。対象地のSSP別の市街地形態については同地区のまちづくりに関わる専門家を中心としたエキスパートジャッジメントによって将来変容を予測し、RCP別の気象条件については全球気候モデル(GCM)の将来気候データを参照して導出した。SSP1-2.6(持続可能シナリオ)と比較してSSP5-8.5(化石燃料依存シナリオ)では21世紀末に高層建築物が乱立する将来像を想定した結果、気温上昇と建築側面からの日射反射等が相まって市街地の温熱環境が悪化する状態が解析により確認された。