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[62] 津波復興土地区画整理事業区域内における低未利用地の非本設利用に関する研究
-岩手県内11地区を対象にした被災10年後の実態把握
キーワード:土地区画整理事業、低未利用地、仮設的利用、空地的利用、東日本大震災
本研究は、東日本大震災後の復興事業として実施された土地区画整理事業区域を対象に、被災10年程度が経過した時点での非本設利用(=非本設再建地における仮設的利用や空地的利用)の実態を明らかにすることを目的としたものである。岩手県内11地区の区画整理事業区域での目視調査により、低未利用区画のうち、平均二割程度で非本設利用がなされていることが確認された。駐車場利用や緑地系利用といった非本設利用の内容は、地区の状況によって異なることを確認し、それが地区内の再建状況や利便施設立地状況によって影響を受けることや同一区画整理事業区域内でも非本設利用の発生分布に偏りが見られることを明らかにした。震災前の市街地状況等によって、都市的な非本設利用が発現する場合と、緑地系利用が卓越する場合があることを明らかにし、震災前の市街地の状況を踏まえて区画整理事業の実施や事業区域の妥当性を検討する必要があることを指摘した。