2022年度全国大会(第57回論文発表会)

講演情報

都市計画論文

講演番号[86]-[94]

2022年12月3日(土) 13:30 〜 16:40 第VII会場 (11号館 AL3)

司会:高澤 由美(山形大学)、藤原 ひとみ(有明工業高等専門学校)、大門 創(國學院大學)、瀬田 史彦(東京大学)

14:10 〜 14:30

[88] 地方都市における図書館立地の実態と課題

-中心市街地における施設複合化を契機とした集合知の拠点形成の観点から

○篠原 周太郎1、瀬田 史彦1、城所 哲夫1 (1. 東京大学)

キーワード:公立図書館、複合施設、中心市街地、地方都市、集合知

近年、公共施設の再編や中心市街地活性化の必要性が高まる中、地方都市において図書館を中心とする複合施設を中心市街地に整備する取り組みがみられる。本研究ではこうした施設整備と、図書館サービスの今後の方向性及び都市的な政策からの期待の両面に関する整合について考察し、施設整備のあり方を検討した。図書館サービスの方向性として、地域の集合知の拠点として付加的都市的なサービスを取り入れようとする動きがみられる。本研究では、図書館立地の変化と施設形態を分析して中心市街地への複合化の傾向が見られることを示し、さらに、中心市街地への複合化を行った図書館の事例調査と特徴的な取り組みの考察を通じ、図書館サービス及び都市的な政策の双方のニーズに合致する施設整備のあり方として、地域の集合知の拠点となりうる中心市街地での施設複合化が位置付けられると結論付けた。一方で、施設整備の際には図書館の特徴を踏まえた計画が望まれることや、施設だけでない中心市街地全体での面的な活性化が必要であること、文化的な活性化の観点も踏まえた図書館の役割の整理・評価が必要であることが示唆された。