2022年度全国大会(第57回論文発表会)

講演情報

都市計画報告会

都市計画報告会②

2022年12月4日(日) 13:00 〜 14:30 第III会場 (8号館 823教室)

司会:大門 創(國學院大學)

14:15 〜 14:30

[212] SPDEを用いた雨量推計にもとづく流出抑制率の試算に関する研究

-東京都西部(八王子市)を流れる浅川流域を対象として

○西浦 定継1、小林 利夫1、山本 圭人2、藤村 和正1 (1. 明星大学、2. 基礎地盤コンサルタンツ(株))

キーワード:雨量推計、流出割会、空間統計手法、SPDE、INLA

本研究の目的は、雨量を1kmメッシュレベルで推計し、各々のメッシュ内の土地利用を変更することにより、どれだけの流出量を減じることができるか検証することである。対象とする河川は東京都西部(主に八王子市)を流れる浅川流域とする。用いるデータは、東京都水防災総合システムのポイント観測データある。雨量推計手法として、空間統計解析手法であるSPDEとINLAである。3つのシナリオに基づき推計したところ、全体で数%程度の流出抑制が達成できることをあきらかにした。もし、この程度では想定外の豪雨には不十分という判断に基づけば、はやり、都市計画的アプローチとしては安全な高台への移転、河川管理的アプローチとしては河川改修などの土木工事が必要であろう。確かに土地利用計画と連動した治水対策は重要であるが、短期に差し迫る災害に対しては、治水施設整備などの構造物対策が求められる。長期と短期に分けた戦略的な対応と、広域計画に基づく自治体および関係機関の連携の重要性を、改めて強調しておきたい。