2023年度全国大会(第58回論文発表会)

講演情報

都市計画論文

講演番号[87]-[93]

2023年11月12日(日) 09:00 〜 11:30 第II会場 (A棟 G29教室)

司会:畠山 雄豪(東北工業大学)、尹 莊植(横浜国立大学)、松川 寿也(長岡技術科学大学)、杉田 早苗(東京工業大学)

09:40 〜 10:00

[89] 転換期にある筑波研究学園都市の地区計画が空間資源継承に果たす役割と課題

○瀬川 遥子2、島田 由美子1、藤井 さやか1 (1. 筑波大学、2. 三井不動産ビルマネジメント株式会社)

キーワード:筑波研究学園都市、地区計画、公務員宿舎、緑視率

筑波研究学園都市では、1980年の概成から40年が経ち、国家公務員宿舎の廃止や事業予定地の売却に伴う民間事業者による開発が相次ぎ、住宅地開発が加速している。従前の公務員宿舎地区では、エリア全体に適用される「計画標準」という開発ルールによって、空間デザインの統一や敷地間の連続性が図られ、研究学園都市の空間資源を創出していた。計画標準に代わる誘導策として、2010年より宿舎跡地に「地区計画」が策定されている。本研究ではこの地区計画に着目し、規定内容及び形成された空間の質に対する評価から、地区計画が研究学園都市の空間資源の継承に果たす役割と課題を明らかにすることを目的とする。地区計画作成内容、現地調査、規定項目と実際の開発状況の分析から、現行の地区計画では開発ボリュームの増大はコントロールできていないが、反対に、かきやさくの構成と緑については、一定の誘導効果をあげていることが明らかになった。