2023年度全国大会(第58回論文発表会)

講演情報

都市計画論文

講演番号[133]-[140]

2023年11月12日(日) 09:00 〜 11:50 第VI会場 (A棟 G31教室)

司会:木村 優介(大阪工業大学)、矢吹 剣一(横浜国立大学)、堀 裕典(岡山大学)

10:50 〜 11:10

[138] 屋号語彙に表れる地域の特性

-旧唐桑町屋号電話帳にもとづく地理空間分析

○伊藤 香織1、德永 景子2、前橋 宏美3、結城 和佳奈2、髙栁 誠也1 (1. 東京理科大学、2. 株式会社建設技術研究所、3. 積水ハウス株式会社)

キーワード:屋号、語彙、旧唐桑町、地理空間データ、Kullback-Leibler情報量

本研究では,「唐桑町屋号電話帳」から作成した旧唐桑町全体の屋号語彙地理空間データに含まれる4600余語の屋号語の分布を地理的観点,社会的観点から定量的に分析し,屋号が人の認識を通して地域のどのような性質を表しているのかを探る.分析で得られた主な知見は,以下の通りである.(1)職業や家,分家,位置関係などを表す屋号語は出現頻度が高く,満遍なく分布しており,旧唐桑町全体に共通する共同体や位置関係の認識を表していると考えられる,(2)山,海,川,田,船,店,道など立地の地理的条件や人の活動を反映していると考えられる屋号語彙が多い,(3)特定の地区に集中する屋号語や特定の屋号語に偏った屋号語彙構成をもつ地区などが共同体の社会的条件を反映していると考えられる.