ご挨拶
| 「がんリハビリテーション最前線 ~社会復帰への挑戦~」 第6回研究会の開催にあたって |
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第6回日本がんリハビリテーション研究会 会長 辻 哲也 慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室 准教授 |
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この度、第6回日本がんリハビリテーション研究会の会長を務めさせていただくことを大変光栄に存じております。本研究会を平成29年1月7日(土)~8日(日)の2日間、慶應義塾大学日吉キャンパス独立館で開催いたします。 我が国では、がんの治療を終えた、あるいは治療を受けつつあるがん生存者が500 万人を超える現在、がんが“不治の病”であった時代から“がんと共存”する時代となっており、今後、がん予防から終末期まで様々な病期におけるがん患者に対するリハビリテーションの需要はさらに高まっていくことが予想されます。 がん医療におけるリハビリテーションの領域を発展させていくためには、研究(Research)を推進し、それに裏付けされたガイドライン(Guideline)を作成、そして、そのガイドラインに基づいた臨床研修(Training)を実施し、専門的スタッフを育成することで医療の質を担保し、その上で医療を実践する(Practice)ことが必要です。 2006年に成立した「がん対策基本法」では、基本的施策のひとつとして、がん患者の療養生活の質の維持向上が謳われています。2007年には、がん対策基本計画が策定され、がんリハビリテーションや緩和医療を含む、がん患者のQOLをサポートする施策が、国の後押しを受けて本格的に始まりました。研究面に関しては、がんリハビリテーション関連学会での発表は年々増加傾向にあります。2013年には待望のがんのリハビリテーションガイドラインが策定されました。臨床研修に関しては2007年に厚生労働省委託事業(現在後援事業)としてがんのリハビリテーション研修(CAREER)が開始され、2010年には「がん患者リハビリテーション料」の診療報酬算定が可能になるなど、がんリハビリテーションはこの10年で大きく発展してきました。 CAREER の受講者数は順調に増加し、「がん患者リハビリテーション料」は、がん診療連携拠点病院の81.5%(平成28年6月現在)で算定されており、がんリハビリテーションの実践される施設は急速に拡大しつつあります。しかし、「がん患者リハビリテーション料」は、入院中のがん患者を対象としており、退院後にはがんリハビリテーションの介入が十分になされていないのが現状です。術後の入院期間の短縮化やとともに、後遺症や合併症を有したまま退院する症例も多くみられます。化学療法や放射線療法などの治療が外来で実施されつつある現在、社会復帰を目指した外来リハビリテーションの必要性は今後ますます高まっていくでしょう。また、緩和ケア主体の時期に自宅療養されている場合には、地域がんリハビリテーションとして、介護保険サービスとの連携も重要になります。 そこで、今回の研究会では、テーマを「がんリハビリテーション最前線 ~社会復帰への挑戦~」といたしました。外来や地域でのがんリハビリテーションは普及することで、がんサバイバーの社会復帰が促進され、高齢がん患者が自立的に生活し健康寿命の延伸が図れれば、との願いを込めました。 本研究会では、がんリハビリテーションに関係のある各科医師、歯科医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、義肢装具士、ソーシャルワーカー、栄養士、行政職など、すべての参加者に満足していただけるように、多彩なプログラムを予定しています。 2日間で3つの教育講演を行います。タイトルは、「がん患者のQOL-どのように評価し臨床実践に生かすか‐」、「chemobrain-リハビリ専門職に期待すること-」、「がん患者・サバイバーの就労支援-リハビリ職がどのように支援していくか-」です。私は基調講演として、「がんリハビリテーション最前線 外来がんリハビリテーションの取り組み」を担当します。 1月7日(1日目)午後には、「外来がんリハビリテーション エビデンス &プラクティス」、1月8日(2日目)午前には、「がんサバイバーの就労」と2つのシンポジウムを企画しました。また、新しい試みとして、1月8日(2日目)にワークショップを企画しています。テーマは「喉頭摘出後のコミュニケーション」、「骨転移などがん患者の画像のみかた」、「がんリハビリテーション研究における研究デザインや統計解析 知っておきたいポイント、「がんリハビリにおけるコミュニケーションスキル」を予定しています。 一般演題(口演)の募集期間は、10月3日(月)~11月18日(金)です。がんリハビリテーションに関わる内容であれば、分野は問いません。奮ってご応募ください。 本研究会が参加される方々の情報交換やディスカッションの場となり、がんリハビリテーションの更なる発展につながることを願っております。 本研究会は、日本理学療法士協会がんリハビリテーション分科会との共催で運営されます。また、教育講演やシンポジウムの一部は、AMED革新的がん医療実用化研究事業 科学的根拠に基づくがんの支持療法の開発に関する研究「外来がんリハビリテーションプログラムの開発に関する研究」研究班と共同で開催されます。 日吉キャンパスは、横浜や渋谷、品川にもほど近く、交通の便の良い場所です。全国から多くの皆様のご参加を心からお待ちしております。 |
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