14:00 〜 14:15
[O2-04] 高齢者と若年者における、匂いに関する自伝的記憶構造の相違
キーワード:プルースト現象、自伝的記憶、レミニッセンス・バンプ
日誌法により若年層の匂い記憶の特徴を明らかにした先行研究(山本,2008)を踏まえ、本研究では面接法を用いて、高齢者層との相違を明らかとすることを目指した。若年者34名(平均年齢20.26歳)と高齢者51名(平均年齢75.54歳)を対象としたところ、主に、以下のような相違が明らかとなった。1点目として、若年者のうち3名、高齢者では19名が匂いを手掛かりとしたエピソード記憶が報告されず、直接確率計算の結果、高齢者は若者ほど匂いを手がかりとしていないことが示された。次に、生まれた年齢を0、想起時の年齢を100として、自伝的記憶の生起時期を求めたところ、若年層では平均73.5の時点、高齢層では36.0の時点での生起が最も多く、χ二乗検定の結果、高齢者の方が相対的に人生において古いエピソードを思い出すことが示された。最後に、両層ともに“家族”に関するエピソードが多く報告されたことが共通していた。
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