日本認知心理学会第15回大会

講演情報

口頭講演

感情・動機

[O3] 口頭3 《感情・動機》

2017年6月3日(土) 13:15 〜 14:45 口頭発表会場2 (515教室)

座長:楠見 孝(京都大学教育学研究科)、乾 敏郎(追手門学院大学)

13:30 〜 13:45

[O3-02] 情動的共感が他者感情推定時の身体状態に及ぼす効果

*前川 亮1、成山 雄也1、朝倉 暢彦1、乾 敏郎1 (1. 追手門学院大学 心理学部)

キーワード:情動的共感、感情推定、生体信号

他者感情の推定時に自分の中に相手と同じ感情を生じ、感情を共有することで行う感情推定を共感的な感情理解という。この共感感情の生起を、ミラーニューロンの働きによって生じる身体状態の模倣によって説明する試みがなされているが、まだ十分な証拠は得られていない。本研究では特に共感性の個人差に着目し、共感性の高低が模倣的な身体状態の変化に及ぼす影響を検討した。実験参加者は感情推定課題を行い、その際の表情筋活動・心拍・発汗・皮膚温を記録した。さらに質問紙によって共感性を評価し、身体状態の変化と比較した。その結果、共感性の高い群では模倣的な身体状態の変化がほとんど見られなかったのに対し、共感性の低い群では感情推定値と身体状態の間に相関関係がみられた。この結果は、ミラーニューロンの働きが社会的文脈によって抑制されるという知見と一貫しており、共感性の高い参加者はより抑制制御に優れていると考えられる。

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