[P1-04] 怒っていても怖いとは限らない
赤ちゃんと成人の顔における怒り優位効果
キーワード:怒り優位効果、脅威度、視覚探索
表情探索課題において怒り顔は他の顔よりも速く検出されると言われている。この怒り優位効果は脅威刺激に対する警戒反応の一種として解釈できる。しかし,怒り顔は必ずしも脅威を生むとは限らない。怒りと脅威のそれぞれの要因の効果を検討するため,よく用いられる成人の顔画像に加えて,怒りが表現されていても脅威度の低い赤ちゃんの顔画像を用いて表情探索課題を行った。標的刺激と妨害刺激のそれぞれに対する脅威度の評定値を共変量として分析を行ったところ,以下のことが明らかになった。まず,標的刺激の脅威度は刺激の種類にかかわらず反応時間を短くした。一方,妨害刺激の脅威度は刺激の種類に関わらず反応時間を遅延させた。さらに,これらの脅威度を統制した状態で,画像の種類と表情の交互作用がみられた。成人の顔では幸福顔のほうが怒り顔よりも反応時間が短かったのに対し,赤ちゃんの顔では怒り顔のほうが幸福顔よりも反応時間が短かった。
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