[P1-05] 視線手がかり課題における表情と不安傾向の影響
キーワード:視線手がかり効果、表情、不安
視線を手がかりとしたPosner課題を視線手がかり課題と呼び,一般に手がかり刺激の恐怖表情や観察者の高不安傾向で手がかり効果が増大するとされるが,背景には視線と表情が持つ社会的シグナルの働きがあると考えられる。本研究では接近―逃避の対照的なシグナルを持つ怒りと恐怖の表情で視線手がかり課題を行い,状態不安得点で参加者を群分けして課題成績を分析した。その結果,視線と標的の一致性,表情,不安傾向の三要因間で二次の交互作用を得た。下位検定では,一致条件による注意促進が高不安の恐怖表情で高まるが低不安では逆に怒りで高く,低不安・恐怖では促進よりも不一致での抑制効果の方が大きい等の結果を得た。本研究の結果は,恐怖表情や高不安が手がかり効果を単純に促進するのではなく,視線と表情の組合せで異なる社会的シグナル機能が観察者の性格傾向との関係で異なる影響を受け,注意誘導効果の増減となって表れることを示唆する。
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