[P2-07] 千鳥掛け柵効果:視覚的な柵の傾きは進行動作に影響する
キーワード:進行動作、千鳥掛け柵、線分の傾き
千鳥掛け柵とは通路に建てられた互い違いの柵のことであり,その特徴は柵が通行人に対して手前に傾いている点である。手前に傾いた柵は通行人の進行を妨害するとされているが,この効果を検証した研究はない。そこで本研究では,2次元的な視覚刺激を用いて,柵の傾きが進行の動作に及ぼす影響を実験的に検証した。実験では,タッチスクリーン上に,通路を模した2本の水平線分を配置した。さらに,その水平線分の間には,柵を模した縦向きの10本の線分を互い違いに配置して,その傾きを5段階で操作した。参加者の課題は,上下の水平直線の間を片側から反対側まで,縦向きの線分を避けつつタッチペンをスライドさせて進行することであった。その結果,縦向きの線分への接触率は,柵が手前に傾くにつれて大きくなることが明らかとなった。この結果は,手前に傾いた柵の存在が進行の動作を妨害することを示している。
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