日本認知心理学会第15回大会

講演情報

ポスター講演

ポスター発表: 知覚・感性, 人格・臨床, その他

[P2] ポスター2 《知覚・感性, 人格・臨床, その他》

2017年6月3日(土) 10:00 〜 12:00 ポスター会場2 (522教室)

[P2-21] 社会不安・抑うつ傾向と時間概念

潜在連合テストを用いた検討

*伊藤 友一1、寺澤 悠理2、梅田 聡2 (1. 慶應義塾大学先導研究センター、2. 慶應義塾大学文学部)

キーワード:抑うつ、社会不安、潜在連合テスト

うつ病には過去のネガティブな記憶を反芻し,不安障害 (特に社会不安) には未来の事象についてネガティブな予期をするという特徴が見られる。このことから,抑うつ傾向の高い個人は過去に,社会不安傾向の高い個人は未来に対して,相対的にネガティブな概念が形成されている可能性が考えられる。本研究では,健常者を対象に潜在連合テスト (IAT) を用いて時間概念 (過去・未来) と感情価 (ネガティブ・ポジティブ) の連合を測定し,個人差 (社会不安傾向・抑うつ傾向) との関係を検討した。その結果,基本的に未来はポジティブ,過去はネガティブという時間概念と感情価の連合が存在しており,社会不安と抑うつ傾向の高低がその連合の強さに対して交互作用的に影響することが示された。これは,うつや社会不安に特徴的な認知の歪みが,時間概念と感情価の連合関係から捉えられる可能性を示唆している。

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