日本認知心理学会第15回大会

講演情報

ポスター講演

ポスター発表: 知覚・感性, 人格・臨床, その他

[P2] ポスター2 《知覚・感性, 人格・臨床, その他》

2017年6月3日(土) 10:00 〜 12:00 ポスター会場2 (522教室)

[P2-24] 自傷傾向者は自己と他者をどのように捉えているか?

自傷傾向と現実感,境界感覚および他者への自己拡張の知覚との関連性

*本元 小百合1、菅村 玄二2 (1. 関西大学大学院心理学研究科、2. 関西大学文学部)

キーワード:自傷行為、身体接触、離人感

自傷傾向の高い人は,現実感や境界感覚が薄く,他者への自己拡張が起こりにくいだろうか。また,両親から受けた身体接触量は,自己の境界感覚の明確さと関連するだろうか。大学生59名を対象に,自傷傾向,過去の身体接触量,現実感の知覚,感覚刺激への対応性,他者への自己拡張の知覚,自己受容の程度に関する質問紙調査を実施した。その結果,自傷傾向の高い人(26名)は低い人(32名)よりも,現実感が薄く(p<.001, d= 1.01),感覚刺激に対して過敏であることがわかった(p=.005, d= 0.76)。また,自傷経験があると答えた人(14名)は,ないと答えた人(40名)よりも他者との親密性をより低く捉えていた(p=.018, d= 0.69)。しかし,身体接触量と現実感・境界感覚に関連性はなかった。どの参加者も身体接触量に大きな差はなかったため,今後は身体接触量が多い人と少ない人を選別し検討することが望まれる。

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