第74回コロイドおよび界面化学討論会

開催概要

第74回コロイドおよび界面化学討論会

討論会主題コロイド・界面化学がつなぐ時間と空間
実行委員長酒井俊郎(信州大学)
:公益社団法人 日本化学会 コロイドおよび界面化学部会
協賛 (依頼中を含む)応用物理学会、界面動電現象研究会、化学工学会、光化学協会、高分子学会、材料技術研究協会、錯体化学会、色材協会、触媒学会、電気化学会、電気学会、土壌物理学会、ナノ・バイオメディカル学会、ナノ学会、日本家政学会、日本吸着学会、日本香粧品学会、日本混相流学会、日本材料学会、日本食品科学工学会、日本食品工学会、日本生物工学会、日本生物物理学会、日本セラミックス協会、日本中性子科学会、日本トライボロジー学会、日本熱測定学会、日本農学会、日本バイオマテリアル学会、日本肺サーファクタント・界面医学会、日本表面真空学会、日本物理学会、日本分析化学会、日本膜学会、日本水環境学会、日本薬学会、日本油化学会、日本レオロジー学会、表面技術協会、腐食防食学会、粉体工学会、粉体粉末冶金協会(五十音順)
後援: 日本農芸化学会
会場信州大学長野(工学)キャンパス(長野県長野市若里4丁目17−1)
ホテルメトロポリタン長野(長野県長野市南石堂町1346)
善光寺 大勧進 紫雲閣(長野県長野市元善町492)
 

討論会概要(pdf版)

催事内容 

アカデミックプログラム

総合講演 (9月13日(水)午後,ホテルメトロポリタン長野)

金子 克美 (信州大学)

20年後社会へのナノ空間材料科学の展開」

特別講演 (9月13日(水)午後,ホテルメトロポリタン長野)

小平 奈緒 (相澤病院・信州大学)
唯一無二の自己表現へ」
 

Lectureship award受賞講演(9月13日(水)午後,ホテルメトロポリタン長野)

Prof. Erica Wanless (University of Newcastle)

"Responsive polymer brushes are a platform to increase our understanding of specific ion effects"


Prof. Tommy Nylander (Lund University)

"On the structure and function of lipid nanoparticles for delivery of bioactive molecules"

 

令和5年度奨励賞受賞講演

科学奨励賞 

伴野 太祐 (慶應義塾大学)

「分子集合体の生命らしい挙動を創発する化学システムの創成」

猿山 雅亮 (京都大学)

「無機ナノ粒子の精密化学合成を基軸とした多様なナノ物質群の開拓」(仮)

 
 

一般研究発表(9月12日(火)~ 9月14日(木),信州大学工学部)

1. 界面活性剤と両親媒性物質
オーガナイザー:酒井 健一(東京理科大)、山下 裕司(神奈川大)、秋山 恵里(花王(株))、森垣 篤典(ライオン(株))
界面活性剤や両親媒性物質は、日常生活の多くのシーンにおいて重要な役割を果たしています。物質の合成から溶液物性、相挙動まで基礎的な現象論や理論に加え、可溶化、乳化、分散、また超分子集合体やゲルなど様々な応用事例まで、幅広い話題について議論を募集します!

(1) 界面活性剤の合成・溶液物性、(2) 分子集合体・相挙動、(3) ゲル・液晶、(4) エマルション、(5) 起泡・消泡、(6) 応用・開発、(7)分析手法
 

2. 分子膜
オーガナイザー:藤森 厚裕(埼玉大)、菱田 真史(東京理科大)、松原 弘樹(広島大)、牧浦 理恵(大阪公立大)
LB膜、自己組織化単分子膜、脂質二分子膜、吸着膜など、組織化膜に関するセッションです。対象は、有機、無機、高分子、バイオを問わず、配向分子膜の構造と機能について議論します。配向分子膜の基礎的な物性と応用、新規分子素子や生命の起源に迫る研究などについて活発な議論が期待されます。

(1) 不溶性単分子膜・LB 膜、(2) 自己組織化膜、(3) 吸着単分子膜、(4) 二分子膜、(ベシクル・リポソームなど)、(5) 積層膜、(LbL膜など)、(6) 粒子膜、(7) 界面物性、(気-液、液-液、固-液)、(8) 応用・開発、(9) 分析手法
 

3. ソフトマターとバイオシステム
オーガナイザー:宮田 隆志(関西大)、水上 雅史(東北大)、佐藤 高彰(信州大)、伴 貴彦(大阪大)
高分子、液晶、コロイド、生体分子などのソフトマターは幅広く利用されている。生体は、ソフトマターが非平衡状態で連携した優れたバイオシステムで生命活動を維持している。本セッションでは、相転移や自己駆動などの物理化学現象も含めたソフトマターとバイオシステムの基礎と応用について議論する。

(1) 高分子のコロイド・界面、ゲル、(2)イオン液体、(3) アクティブマター・非線形・非平衡、(4) 生体分子・バイオマテリアル・バイオミメティクス、(5) 夾雑系、(6) ドラッグデリバリー・バイオメディカル、(7) 応用・開発、(8) 分析手法
 

4. 微粒子・ナノ粒子・ナノマテリアル
オーガナイザー:橋詰 峰雄(東京理科大)、川﨑 英也(関西大)、大場 友則(千葉大)、須川 晃資(日本大)
金属・金属酸化物・半導体・高分子・炭素・有機分子など多岐に渡る材料で構成される微粒子・ナノ粒子が対象になるセッションです。
それらの合成法、物性・機能評価、応用まで幅広いステージの研究について発表がなされ、活発に議論が展開されます。

(1) 合成・作製プロセス、(2) 構造・物性、(3) 機能・応用、(4) 理論・計算科学
 

5. 分散・凝集
オーガナイザー:石田 尚之(同志社大)、日下 靖之(産業技術総合研究所)、桑折 道済(千葉大)、渡邉 哲(京都大)
粒子分散系は近年、エレクトロニクスなどの新たな分野においても重要性を増す一方で、分散手法や安定性評価、制御には未だ課題が山積している。本セッションは、界面のミクロ現象から粒子間相互作用を経て、バルク粒子の挙動や粒子構造形成に至るまでの、幅広い空間・時間スケールでの分散凝集を、体系的かつ俯瞰的に議論する。

(1) 分散系の安定性とその理論、(2) 濃厚分散系、(3) 界面電気現象・界面動電現象、(4) 粒子表面間力、(5) レオロジー、(6) コロイド結晶・粒子配列、(7) 応用・開発、(8) 分析手法
 

6. 固体表面と濡れ・吸着・接着
オーガナイザー:大久保貴広(岡山大)、山田 真爾(花王(株))、近藤 篤(大分大)、渡邉 智(熊本大)
固体表面に関する基礎から応用までの研究を幅広く取り扱います。固体表面の濡れ性、固体表面や細孔への分子やイオンの吸着現象や触媒反応、固体表面の接着や摩擦・潤滑をはじめ、機能性固体の製造や微細加工なども加えた固体表面の機能創出につながる研究を発表対象として、活発な議論を展開します。

(1) 固体表面構造と物性・機能、(2) 吸着と触媒、(3) ナノ材料、ナノ空間、多孔体、細孔、(4) ぬれ性と超撥水・超親水表面、(5) 機能性固体の合成・製造、(6) 表面力・トライボロジー、(7) マイクロファブリケーション、(8) 応用・開発、(9) 分析手法
 

国際シンポジウム(9月15日(金)、善光寺 大勧進 紫雲閣)

オーガナイザー:藤井 秀司(大阪工業大学)、蟹江 澄志(東北大学)

本討論会の国際化を進めるために、国際交流委員会が主体となって国際シンポジウムを企画・実施します。

詳細はこちらをご覧ください。
 

 

一般シンポジウム

シンポジウム1「コロイド・界面化学がつなぐ時間と空間
企画提案者:酒井俊郎 (信州大)、武井和音 (東京フード・信州大)

コロナウイルス感染症拡大により時間と空間が断絶され、生活様式は大きく変化し、化学の世界も大きく変化した。このような状況の中でも、コロイド・界面化学は時間と空間を超え、様々な分野にて発展を続けている。本シンポジウムは、乳化剤フリーエマルションの29年の歴史のなかで時間と空間を超えた新たな取り組みについて共有する場としたい。

開催日:9月12日(火)午前
 
企画講演(予定):
酒井 俊郎 (信州大)「乳化剤フリーエマルションの29年の歩み」
武井 和音 (東京フード・信州大)「食品分野における乳化剤フリーエマルションの可能性」
梅澤 公二 (信州大)「油と水の分子集合状態に関する計算化学的アプローチ」
磯貝 洋幸 (協和界面科学)「油と水の界面には何かある!」
湯本 賢也 (東洋エアゾール・信州大)「エアゾール用界面活性剤フリーエマルション製剤の開発」
 
企画講演以外の発表について:口頭発表受け入れ無、ポスター発表受け入れ無

 
シンポジウム2「
次世代マテリアルへの挑戦:最新コロイド技術による材料設計とプロセス最適化
企画提案者:米澤 徹(北大)、川﨑英也(関西大)、武田真一(武田コロイドテクノ)

本企画では、材料設計・創成、さらにプロセス設計などにおけるコロイド化学の示す役割などについて、最新の研究成果の共有ならびに技術的課題の解決に向けた広範囲の専門家にご講演をお願いした。特に、データ駆動型の材料設計、微粒子材料の設計や分散制御における最先端の研究を支える基礎技術や、それらを応用することで生まれる材料の新しい特性や可能性について紹介する。今回、参加者が新たな知見を得るとともに、相互に情報交換を行い、今後の研究や産業応用に活かすことを目的とする。

開催日:9月12日(火)午後
 
企画講演(予定):
鈴木 大介 (信州大)「高分子微粒子を基軸とした循環型材料の創成」
谷池 俊明 (北陸先端大)「ハイスループット実験が加速するデータ駆動型材料設計」
佐藤根 大士 (兵庫県立大)「スラリープロセス最適化のための分散状態制御」
日出間 るり(神戸大)「柔らかい粒子としてのダブルエマルションのマイグレーション挙動」
 
企画講演以外の発表について:口頭発表受け入れ可、ポスター発表受け入れ可
 

シンポジウム3「有機フッ素化合物の関わる界面化学の新展開
企画提案者:長谷川 健 (京都大)、粕谷 素洋 (小松大)

有機フッ素材料は、撥水・撥油性や耐熱性、低摩擦性など非フッ素の炭化水素にはないユニークな界面物性を多数発現し、スマート社会の実現に大きく貢献する材料群として知られる。一方でこれらの特性について、分子レベルで系統的に説明できる理論的枠組みがなく、研究・開発が総当たり的に行われて非効率、という課題がある。これ対して近年これらの特性を科学的に説明できる階層双極子アレー理論(SDA理論)が提唱され、この状況に対する抜本的な見直しが進みつつある。本シンポジウムでは、この理論的枠組みを基に有機フッ素のかわる界面化学の新展開について概観・議論する。

開催日:9月13日(水)午前
 
企画講演(予定):
長谷川 健 (京都大)「SDA理論で有機フッ素科学の再構築」
水口 朋子 (京都工芸繊維大)「分子動力学法によるパーフルオロアルキル基の集合構造に関する研究」
瀧上 隆智 (九州大)「フルオロカーボンを含むソフト界面膜の不均一構造と線張力」
藤森 厚裕 (埼玉大)「含フルオロカーボン系分子団による界面膜の形成と構造」
伊藤 喜光 (東京大)「フッ素で覆われたナノチャネルによる超高効率脱塩」
粕谷 素洋 (小松大)「フッ素樹脂の摩擦に伴う構造変化のMAIRS法による定量解析」
 
企画講演以外の発表について:口頭発表受け入れ無、ポスター発表受け入れ可

 
シンポジウム4「界⾯ナノフォトニクス 〜固液界⾯での光と物質の相互作⽤とダイナミクス〜
企画提案者:武安 伸幸 (岡山大)、庄司 暁 (電気通信大)

メタマテリアルに代表されるナノ構造を利⽤した(集めた)新奇光学材料は、構造の微細化に伴う単純なスケール則ではなく、⾦属ナノ構造やナノカーボン材料など様々なナノ材料の表⾯/界⾯において発現する特殊な光学特性が、バルク材料が持つそれとは全く異なっているという、ナノ表⾯/界⾯での光との相互作⽤を原理とするものが多い。本シンポジウムでは、そのような表⾯/界⾯に特有の物性を利⽤した光学材料の創製⼿法、表⾯/界⾯特有の光学的性質を利⽤した顕微技術や分⼦分析技術などを、幅広く分野横断的に概観する。特に、固液界⾯でのナノ構造と光との相互作⽤が創り出す最新のサイエンスとエンジニアリングをトピックとし、今後の表⾯/界⾯×フォトニクス研究の展開について議論したい。

開催日:9月14日(木)午前
 
企画講演(予定):
南本 ⼤穂 (神戸大)「固液界⾯における分⼦の光捕捉と光計測」
紀和 利彦 (岡山大)「テラヘル波顕微鏡と界⾯の⾼感度評価」
⽵内 祐貴 (理研)「⾦属ナノ表⾯に局在した光が誘起する化学反応とそのナノ加⼯応⽤」
斎藤 結花 (学習院大)「ワイドギャップ半導体ナノ粒⼦の紫外分光」
 
企画講演以外の発表について:口頭発表受け入れ可、ポスター発表受け入れ可

 
シンポジウム5「水が関わるin situナノ構造変化分析
企画提案者:岡田 友彦 (信州大)、酒井 秀樹 (東京理科大)

吸着や反応などで生ずる構造変化を追跡する手法(in situ分析)が注目されています。本シンポジウムでは、水中の界面が関わるナノ構造体に焦点をあて、放射光X線回折や小角X線散乱、小角中性子散乱装置を用いた、種々の集合体(界面活性剤、ナノ粒子、ナノシートなど)の構造変化について議論します。

 

開催日:9月14日(木)午後
 
企画講演(予定):
高原 淳 (九州大)「水界面でのソフトマテリアルの放射光X線散乱・分光」
赤松 允顕 (鳥取大)「in situ小角中性子散乱(SANS)を用いた高速光応答性分子集合体の構造追跡」
河口 彰吾 (高輝度光科学研究センター)「In situ分析のための放射光粉末X線回折装置の高度化」
森吉 千佳子 (広島大)「SPring-8粉末回折(BL02B2)によるin-situ構造観察」
笹井 亮(島根大)「層状複水酸化物の水中での陰イオン交換反応のその場観察」
小川 誠 (VISTEC)「水の中で機能している層間化合物の構造」
 
 
企画講演以外の発表について:口頭発表受け入れ無、ポスター発表受け入れ無