第58回電池討論会

実行委員長挨拶

実行委員長挨拶


第58回電池討論会実行委員長

岡田 重人

九州大学先導物質化学研究所

屋井乾電池(1892)以来、ニッカド電池(1963)、ニッケル水素電池(1990)、リチウムイオン電池(1991)、NAS電池(2003)が初めて日本で実用化され、電池産業はまさに日本のお家芸として発展してきました。今日、半導体に代わる新しい産業の米として次世代電池の実用化が強く望まれ、電子立国から蓄電立国へと我が国の産業構造の転換期を迎えています。電池が牽引してきた産業分野は情報通信から家電、自動車、電力業界へと拡大の一途を歩んでおり、その研究開発の重要性や社会的インパクトはますます増大しています。
 
電池技術に関する新しいデータを交換し、新しいアイデアを共有する場として、60年前電池討論会はスタートし、今日、電池分野に特化した世界最大級の学会にまで成長しました。毎年500件以上の講演が3日間にわたって9会場で開催され、2000名以上の参加者が国内外から集まります。私が電池討論会に最初に参加したのは1983年です。当時は、携帯電話もノートパソコンも電気自動車も市場にない時代でした。しかしこの数十年で電池技術の発展はこれらを実現してきました。そして今年も、新たにどんな材料、新技術が福岡で発表され、それらが我々にどんな未来をもたらしてくれるのか非常に楽しみです。
 
今回福岡での開催は、2002年、2007年、2012年に続き4回目となります。常連の方にはすっかりお馴染みかと思いますが、新しい福岡の名酒、名産を発見するため、11月15日の懇親会にも是非ご参加ください。組織や国を超えた実り多い電池ソサイエティの交流の場を提供できましたらオーガナイザーとしてこれに過ぎる喜びはありません。多くの皆様と福岡でお会いし、電池の未来について議論できることを楽しみにしています。