日本教育心理学会第56回総会

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ポスター発表 PA

(5階ラウンジ)

2014年11月7日(金) 10:00 〜 12:00 5階ラウンジ (5階)

[PA055] 大学生活で身につけた力とその要因について(1)

学年と重視活動による差異

松島るみ1, 尾崎仁美1 (京都ノートルダム女子大学)

キーワード:大学生活

【問題と目的】入学する大学生が多様化する中,大学教育の質保証を実現する取り組みが広がっている。大学教育が学生の成長に及ぼす影響が議論されることが多い一方で,近年は,大学の正課授業のみならず,大学生活の過ごし方に焦点を当てた研究もみられる。
松島・尾崎(2013)の4年次生を対象とした大学生活で獲得した力に関する調査研究では,人間関係を構築する力や自立的な姿勢に関する力が多く抽出され,また,学生にとってこれらの力は,授業外,大学外で養成されているという認識が高いことを明らかにしている。学生の成長を規定する要因は学年により異なることが予想されるが,先行研究においては,大学の各学年で身につける力や各学年の特徴に焦点を当てた研究はほとんどみられない。
そこで,本研究では,大学生活において身についた力について,各学年の特徴を中心に検討することを目的とする。
【方 法】
調査対象者:2014年1月,心理関係学部に在籍する1~4年生の女子大学生160名(1年生38名,2年生42名,3年生64名,4年生16名)を対象に調査を実施した。
調査内容:大学生活で身につけた力:「これまでの大学生活を振り返り,修得した,身についたと思う力(知識・技能・態度等)を,5つ挙げて下さい。(学内だけではなく,大学外で身につけた力でも構いません」と教示し,自由記述で回答する様求めた(実際は5つ全て挙げていない対象者もみられた)。
【結果と考察】調査で得られた「大学生活において身につけた力」に関する557の自由記述について,松島・尾崎(2013)で使用した20のカテゴリーを参考にしながら筆者それぞれで分類を行った。カテゴリー分類が一致しなかった記述に関しては協議の上で分類を行った。なお,松島・尾崎(2013)から,カテゴリーの追加や削除を行い,本研究では最終的に21カテゴリーを設定した(表1)。
全学年共通して,該当者数が多かったのが,「コミュニケーション」「専門的知識・スキル」「自己管理能力」であり,コミュニケーションに関しては,いずれの学年も半数以上の対象者が身につけたと回答した。これらの力の該当者が多かったことについては,松島・尾崎(2013)と同様の傾向であった。また,「主体性・積極性・行動力」や「専門以外の知識・スキル」についても該当者が多かった。
各学年における回答の傾向について,1年生は計画性や時間の使い方,自己統制等に関する「自己管理能力」や「専門的知識・スキル」が高い傾向がみられ,2・3年生はコミュニケーションを挙げている学生が1・4年生よりも多くみられた。しかし,学年差を調べるためχ2検定を行ったところ,「コミュニケーション」にのみ有意差がみられ,明確な学年差は見出されなかった。