[PB050] 障害児保育に対する保育士の困難感に関する研究
キーワード:保育, 障害, 困難感
問題と目的 1974年に保育所における障害児保育が制度化され、現場の保育者は様々な取り組みをしてきたが、未だ対応の困難さや不安を抱えている。近年は障害の認定はなくても「気になる子」や「特別な配慮の必要な子」が増加している。
本研究では、保育士が障害児保育を実施する中で、どのようなことに困難を感じているのかについて、現状を整理することを目的としている。
方法
調査時期 2013年9月28日、10月15・31日の保育士を対象とした勉強会の開催時。
対象者 勉強会での配布数153名であり、そのうち回収数は78名(回収率51.0%)であった。回答者の内訳は、女性74名、男性4名。平均年齢38.9歳、平均保育経験年数14.7年。職種は、施設長12名、主任6名、保育士56名、その他3名、不明1名であった。
手続き 筆者らが所属する大学院が主催した保育士勉強会に参加した保育士に対して、受付で配布した。勉強会は予約制であったが、無料で行った。調査については、個人や保育所を特定することは一切しないことを勉強会開始前に説明し、協力できる場合は、終了後に提出するように依頼した。
質問紙 障害児保育の困難感についての25項目(「5:かなりあてはまる」~「1:まったくあてはまらない」の5件法)であった。項目については、障害児保育でどのようなことに困っているかを、保育士に自由記述で尋ねた結果をもとに作成された。
結果と考察
保育士が障害児保育をする中で、どのようなことを困難に感じているのかを整理するため、因子分析を行った。その結果、3因子が抽出された(表1)。次に、経験年数を5年以下の若手(23人)、6年~20年以下の中堅(21人)、21年以上のベテラン(23人)に分け、因子ごとに平均点を算出し、一元配置の分散分析を行い、経験年数によって困難感に違いがあるのかどうかを調べた。その結果、第1因子「対象児への対応の困難さ」において有意な差がみられた(F(2,71)=5.69,p<.01)。Tukey法による多重比較の結果、若手>中堅・ベテラン(p<.05)となり、若手が障害児への対応に特に困難を感じていることが明らかとなった。
若手は日々の保育にも慣れておらず、経験や知識が不十分なため障害児への個別対応に不安を感じている。障害児保育については、人数的な加配対応だけではなく、経験が浅い保育士への研修やサポート体制が必要であると考えられる
本研究では、保育士が障害児保育を実施する中で、どのようなことに困難を感じているのかについて、現状を整理することを目的としている。
方法
調査時期 2013年9月28日、10月15・31日の保育士を対象とした勉強会の開催時。
対象者 勉強会での配布数153名であり、そのうち回収数は78名(回収率51.0%)であった。回答者の内訳は、女性74名、男性4名。平均年齢38.9歳、平均保育経験年数14.7年。職種は、施設長12名、主任6名、保育士56名、その他3名、不明1名であった。
手続き 筆者らが所属する大学院が主催した保育士勉強会に参加した保育士に対して、受付で配布した。勉強会は予約制であったが、無料で行った。調査については、個人や保育所を特定することは一切しないことを勉強会開始前に説明し、協力できる場合は、終了後に提出するように依頼した。
質問紙 障害児保育の困難感についての25項目(「5:かなりあてはまる」~「1:まったくあてはまらない」の5件法)であった。項目については、障害児保育でどのようなことに困っているかを、保育士に自由記述で尋ねた結果をもとに作成された。
結果と考察
保育士が障害児保育をする中で、どのようなことを困難に感じているのかを整理するため、因子分析を行った。その結果、3因子が抽出された(表1)。次に、経験年数を5年以下の若手(23人)、6年~20年以下の中堅(21人)、21年以上のベテラン(23人)に分け、因子ごとに平均点を算出し、一元配置の分散分析を行い、経験年数によって困難感に違いがあるのかどうかを調べた。その結果、第1因子「対象児への対応の困難さ」において有意な差がみられた(F(2,71)=5.69,p<.01)。Tukey法による多重比較の結果、若手>中堅・ベテラン(p<.05)となり、若手が障害児への対応に特に困難を感じていることが明らかとなった。
若手は日々の保育にも慣れておらず、経験や知識が不十分なため障害児への個別対応に不安を感じている。障害児保育については、人数的な加配対応だけではなく、経験が浅い保育士への研修やサポート体制が必要であると考えられる