[PB051] 特別支援教育コーディネーターに求められる資質に関する検討
チーム支援におけるメンバーとの関わりに着目して
Keywords:特別支援教育, コーディネーター, チーム支援
問題と目的
本学特別支援教育モデル研究開発室は,特別支援教育における地域リーダー育成のためのプログラム開発をミッションとしている。このため,特別支援教育コーディネーターとして活動する際に求められる資質を把握し,育成することは重要な課題である。本研究では,コーディネーターを対象に,コーディネーターとしての活動にはどのような資質が求められるかを,チーム支援におけるチームおよび他のメンバーとの関わりを中心に調査を行った。コーディネーターがチーム支援を行う上で,特にどのような点で資質不足を感じているのかを明らかにすることで,地域リーダー育成のための今後の指針を得ることを目的とした。
方法
調査協力者 H県内の特別支援教育コーディネーターを対象とした研修会への参加者38名。
調査方法 以下の調査内容からなる無記名式の質問紙を作成し,研修会において回答を依頼,回収した。調査時期は2014年5月である。
調査内容 HC評価尺度改訂版 (森口・日潟・小山田・齊藤・城, 2009)26項目(使用に際して,表現に若干の修正を加えた),チーム支援において求められると考えられる資質についての項目(メンバーとの関係構築,協働,若手育成,対話)12項目,の計38項目について,①コーディネーターにとってどの程度必要であると思うか (1:とても必要である~5:全く必要でない),②自身はコーディネーターとしてどのように振る舞っているか (1:とてもあてはまる~5:全く当てはまらない)をたずねた。
結果と考察
各項目について,①コーディネーターにとっての必要性[必要]と②自身の振る舞い[自己]の値の差を算出し,これを資質不足についての指標とした。差得点が0以下であり,認知された必要性と自身の振る舞いに差がない,または自身の振る舞いが必要性を上回っている群を不足なし群,差得点が0よりも大きく自身の振る舞いが必要性を下回っている群を不足群とした。
各資質について,どの程度のコーディネーターが不足を感じているのか,また十分であると感じているのかを検討するため,不足なし群と不足群のχ2検定を行った。その結果,マネジメント,ネゴシエーション,協働,関係構築,対話の7項目について不足なし群が有意に多く,メンバー間での協調は図られていると認識しているコーディネーターが多いと考えられた。これに対して,プランニング,リーダーシップ,コミュニケーション,若手育成の6項目について不足群が有意に多かった。特に,プランニングの3項目については差得点が高くチーム支援における課題設定や計画に困難を抱えているコーディネーターが多いことが示唆された。
本学特別支援教育モデル研究開発室は,特別支援教育における地域リーダー育成のためのプログラム開発をミッションとしている。このため,特別支援教育コーディネーターとして活動する際に求められる資質を把握し,育成することは重要な課題である。本研究では,コーディネーターを対象に,コーディネーターとしての活動にはどのような資質が求められるかを,チーム支援におけるチームおよび他のメンバーとの関わりを中心に調査を行った。コーディネーターがチーム支援を行う上で,特にどのような点で資質不足を感じているのかを明らかにすることで,地域リーダー育成のための今後の指針を得ることを目的とした。
方法
調査協力者 H県内の特別支援教育コーディネーターを対象とした研修会への参加者38名。
調査方法 以下の調査内容からなる無記名式の質問紙を作成し,研修会において回答を依頼,回収した。調査時期は2014年5月である。
調査内容 HC評価尺度改訂版 (森口・日潟・小山田・齊藤・城, 2009)26項目(使用に際して,表現に若干の修正を加えた),チーム支援において求められると考えられる資質についての項目(メンバーとの関係構築,協働,若手育成,対話)12項目,の計38項目について,①コーディネーターにとってどの程度必要であると思うか (1:とても必要である~5:全く必要でない),②自身はコーディネーターとしてどのように振る舞っているか (1:とてもあてはまる~5:全く当てはまらない)をたずねた。
結果と考察
各項目について,①コーディネーターにとっての必要性[必要]と②自身の振る舞い[自己]の値の差を算出し,これを資質不足についての指標とした。差得点が0以下であり,認知された必要性と自身の振る舞いに差がない,または自身の振る舞いが必要性を上回っている群を不足なし群,差得点が0よりも大きく自身の振る舞いが必要性を下回っている群を不足群とした。
各資質について,どの程度のコーディネーターが不足を感じているのか,また十分であると感じているのかを検討するため,不足なし群と不足群のχ2検定を行った。その結果,マネジメント,ネゴシエーション,協働,関係構築,対話の7項目について不足なし群が有意に多く,メンバー間での協調は図られていると認識しているコーディネーターが多いと考えられた。これに対して,プランニング,リーダーシップ,コミュニケーション,若手育成の6項目について不足群が有意に多かった。特に,プランニングの3項目については差得点が高くチーム支援における課題設定や計画に困難を抱えているコーディネーターが多いことが示唆された。