[PC018] ドラマ手法で学びを変える
キーワード:ドラマ手法, 共創教育, 教職課程
1 はじめに
本研究は、「教職科目」の授業実践において、ドラマ手法用いた「共創的学びの創出」を探究するものである。発表者の提起する「共創的学び」とは、従来多く見られた知識注入型の学びとは性格を異にし、他者との相互交流のなかで,共同で意味を構築する創造的過程を重視する。この共創教育実践において教師に要請されるのは、生徒の学びをデザインし、生徒とともに学びの実践を行うファシリテーターとしての役割である。本発表では、ドラマ的手法「フリーズフレーム」「ホットシーティング」「ロールプレイ」等を使って「いじめ問題」にアプローチし、いじめに対する認識を深め、いじめ対策への有効なアイディアの模索を目指した「教育方法論」「教育原理」の授業にスポットをあてる。
2 実践の概要
Ⅰ「いじめ」フリーズフレーム・ホットシーティング・ロールプレイ
「いじめ問題」へのアプローチとして絵本「風切る翼」・コミック「花とみつばち」「ある日突然はぶられた」・新聞「いじめ伝言板」小説「ワニとハブとひょうたん池で」等多様な素材を用いた。「ドラマ手法」を用いた授業の特徴は身体を使って架空の世界を生み出すこと、つまり身体性を基盤とした虚構性にある。「フリーズフレーム」を使って演じる、絵本「風切る翼」において学生たちは、登場人物に「なってみること」「からだで感じること」を通し想い・考えを対話によって深めた。続いて、コミック「花とみつばち」をモデルにし、ロールプレイを使って、学校における「スクール・カースト」のリアルな現状を即興劇としていきいきと演じた。振り返りにおいてなぜ「スクール・カースト」が存在するのか等を省察した。今を生きる中学生の生の声、心の叫び、朝日中学生ウィークリーの投稿欄「いじめ伝言」を、グループごとに再現ドラマとして演じた。「ホット・シーティング」の手法を用いて、内面にアプローチすることを試みたのが、小説「ワニとハブとひょうたん池で」である。「もしも・・・」と想像を飛ばすことで、学生たちは、いじめに苦しむ子どもと「共に生きる」場を身体を通して体験していったのだ。
Ⅱドラマ手法を用いた効果の検証
ドラマ的手法で実践の後、学生はこう語った。
・いじめのシーンを実際に自分が演じてみました、暴言をはくとき、自分でも驚くくらい意地悪な、気持ちになっていました、逆に今度はいじめられる側にまわり、相手から暴言を吐かれたときは、ほんとうに 涙がでそうでした。実際に、自分の身体で体験してみることが、いじめを本気で考える大きなきっかけになると思います。
・「フリーズ・フレーム」「ドラマ」どれも一瞬の言葉・表情・顔つき・目つきからいろいろなものがリアルに伝わってきました。もちろん、その人の胸の内すべてがわかるわけではありませんが、今目の前でそれがくりひろげられていること、それが気持ちを感じ、深く考える大きな力になりました。自分のからだで感じること、体験することは、頭で考えることと全く違うものでした。
「ドラマ手法」によって生み出されるものは、あくまでも架空の世界であるが、そのため、現実にはなしえないようなさまざまな試行や挑戦を安全な空間で行うことができる。しかし、自身のからだを通して感じ思った、架空世界の実践が、他ならない自身の深い経験となっている点が大きいといえよう。
本研究は、「教職科目」の授業実践において、ドラマ手法用いた「共創的学びの創出」を探究するものである。発表者の提起する「共創的学び」とは、従来多く見られた知識注入型の学びとは性格を異にし、他者との相互交流のなかで,共同で意味を構築する創造的過程を重視する。この共創教育実践において教師に要請されるのは、生徒の学びをデザインし、生徒とともに学びの実践を行うファシリテーターとしての役割である。本発表では、ドラマ的手法「フリーズフレーム」「ホットシーティング」「ロールプレイ」等を使って「いじめ問題」にアプローチし、いじめに対する認識を深め、いじめ対策への有効なアイディアの模索を目指した「教育方法論」「教育原理」の授業にスポットをあてる。
2 実践の概要
Ⅰ「いじめ」フリーズフレーム・ホットシーティング・ロールプレイ
「いじめ問題」へのアプローチとして絵本「風切る翼」・コミック「花とみつばち」「ある日突然はぶられた」・新聞「いじめ伝言板」小説「ワニとハブとひょうたん池で」等多様な素材を用いた。「ドラマ手法」を用いた授業の特徴は身体を使って架空の世界を生み出すこと、つまり身体性を基盤とした虚構性にある。「フリーズフレーム」を使って演じる、絵本「風切る翼」において学生たちは、登場人物に「なってみること」「からだで感じること」を通し想い・考えを対話によって深めた。続いて、コミック「花とみつばち」をモデルにし、ロールプレイを使って、学校における「スクール・カースト」のリアルな現状を即興劇としていきいきと演じた。振り返りにおいてなぜ「スクール・カースト」が存在するのか等を省察した。今を生きる中学生の生の声、心の叫び、朝日中学生ウィークリーの投稿欄「いじめ伝言」を、グループごとに再現ドラマとして演じた。「ホット・シーティング」の手法を用いて、内面にアプローチすることを試みたのが、小説「ワニとハブとひょうたん池で」である。「もしも・・・」と想像を飛ばすことで、学生たちは、いじめに苦しむ子どもと「共に生きる」場を身体を通して体験していったのだ。
Ⅱドラマ手法を用いた効果の検証
ドラマ的手法で実践の後、学生はこう語った。
・いじめのシーンを実際に自分が演じてみました、暴言をはくとき、自分でも驚くくらい意地悪な、気持ちになっていました、逆に今度はいじめられる側にまわり、相手から暴言を吐かれたときは、ほんとうに 涙がでそうでした。実際に、自分の身体で体験してみることが、いじめを本気で考える大きなきっかけになると思います。
・「フリーズ・フレーム」「ドラマ」どれも一瞬の言葉・表情・顔つき・目つきからいろいろなものがリアルに伝わってきました。もちろん、その人の胸の内すべてがわかるわけではありませんが、今目の前でそれがくりひろげられていること、それが気持ちを感じ、深く考える大きな力になりました。自分のからだで感じること、体験することは、頭で考えることと全く違うものでした。
「ドラマ手法」によって生み出されるものは、あくまでも架空の世界であるが、そのため、現実にはなしえないようなさまざまな試行や挑戦を安全な空間で行うことができる。しかし、自身のからだを通して感じ思った、架空世界の実践が、他ならない自身の深い経験となっている点が大きいといえよう。