[PC046] 教育用パンフレット「知っていますか?男性のからだのこと,女性のからだのこと」に対する大学生の意識調査
Keywords:ライフプラン, 教材, 健康教育
目 的
大学にはライフプランを考え、心身の健康を育むための教育過程の最終拠点としての役割も期待される。これまでは、キャリアプランと並べてライフプランを取り上げる機会は少なかった。本研究では近い将来、親となる若い男女に、結婚、出産をライフプランの中の重要項目として位置づけ、そのために必要な今の心身の健康について厚生労働省研究班が作成した教育パンフレットに対する大学生の評価を分析することを目的とした。
方 法
「若い男女のライフプランに関する意識調査」のデータ収集と、教育用パンフレット「知っていますか?男性のからだのこと、女性のからだのこと」に関する調査を同時に行った。研究対象者は、教養教育の中で、保健管理センターの教員が担当する3科目を受講した学生を対象とした。
結 果
回収部数は125部で、教育用パンフレットに関する調査の有効回答数は101であった。内訳は男性43名(42.6%)、女性58名(57.4%)であった。所属別では、人文社会系53.4%、理科系12.9%、医療系33.7%であった。
1)教育用パンフレットに関する調査の集計結果
パンフレットに関する評価は10項目について「1全くあてはまらない」から「7非常にあてはまる」までの7件法でたずねた。5から7を合計すると、パンフレットの内容については「興味をもてる」が67.7%、「重要である」が89.0%であった。パンフレットの出来については「大きさは適切である」が66.0%、「厚さ(ページ数)は適切である」が75.0%、「字の大きさは読みやすい」が83.0%、「見やすい・読みやすい」は80.0%であった。パンフレットを「自分が持っておきたい」は56.0%であったが、「友人(男性)に紹介したい」は32.0%、「友人(女性)に紹介したい」は34.0%に低下した。「交際相手に紹介したい」は42.0%であった。
パンフレットに必要と思う内容として最も回答が多かったのは「妊娠について」で55.4%、次に「性感染症について」の53.5%、次に「避妊について」の52.5%であり、パンフレットを宣伝するのに効果的な方法については、「授業で配布する」が62.4%で最も多かった。
2)基本属性を用いた評価の検定結果
パンフレットに対する評価10項目について、性別でt検定を行ったが、評価に性差は見られなかった。 所属別で一元配置分散分析を行った結果、「友人(女性)に紹介したい」に有意差が見られ、理科系より医療系の学生のほうに得点が有意に高かった(F (2,97)=4.680, p<.05)。
パンフレットに必要と思う内容について、性別でχ2検定を行った結果、「健康で充実した人生のために(χ2(1)=6.404、p<.05)」と「男性に多い性の悩み(χ2(1)=10.268、p<.01)」に性差があり、ともに男性で必要と回答した人が有意に多かった。
考 察
若い男女に結婚、出産をライフプランの中の重要項目として位置づけさせる目的で作成された教育用パンフレットは、大学生が興味をもてる重要な内容を扱っており、見やすさでも高い評価を得られたと考えられる。性的な内容については重要であるが、他者と話し合うのに抵抗があると考えられるため、大学生にとって授業で扱ってほしい内容であることも示唆された。
付記 本研究は、平成25年度厚生労働科学研究費補助金(政策科学総合研究事業)若い男女の結婚・妊娠時期計画支援に関するプロモーションプログラムの開発に関する研究の一部として行ったものである。
大学にはライフプランを考え、心身の健康を育むための教育過程の最終拠点としての役割も期待される。これまでは、キャリアプランと並べてライフプランを取り上げる機会は少なかった。本研究では近い将来、親となる若い男女に、結婚、出産をライフプランの中の重要項目として位置づけ、そのために必要な今の心身の健康について厚生労働省研究班が作成した教育パンフレットに対する大学生の評価を分析することを目的とした。
方 法
「若い男女のライフプランに関する意識調査」のデータ収集と、教育用パンフレット「知っていますか?男性のからだのこと、女性のからだのこと」に関する調査を同時に行った。研究対象者は、教養教育の中で、保健管理センターの教員が担当する3科目を受講した学生を対象とした。
結 果
回収部数は125部で、教育用パンフレットに関する調査の有効回答数は101であった。内訳は男性43名(42.6%)、女性58名(57.4%)であった。所属別では、人文社会系53.4%、理科系12.9%、医療系33.7%であった。
1)教育用パンフレットに関する調査の集計結果
パンフレットに関する評価は10項目について「1全くあてはまらない」から「7非常にあてはまる」までの7件法でたずねた。5から7を合計すると、パンフレットの内容については「興味をもてる」が67.7%、「重要である」が89.0%であった。パンフレットの出来については「大きさは適切である」が66.0%、「厚さ(ページ数)は適切である」が75.0%、「字の大きさは読みやすい」が83.0%、「見やすい・読みやすい」は80.0%であった。パンフレットを「自分が持っておきたい」は56.0%であったが、「友人(男性)に紹介したい」は32.0%、「友人(女性)に紹介したい」は34.0%に低下した。「交際相手に紹介したい」は42.0%であった。
パンフレットに必要と思う内容として最も回答が多かったのは「妊娠について」で55.4%、次に「性感染症について」の53.5%、次に「避妊について」の52.5%であり、パンフレットを宣伝するのに効果的な方法については、「授業で配布する」が62.4%で最も多かった。
2)基本属性を用いた評価の検定結果
パンフレットに対する評価10項目について、性別でt検定を行ったが、評価に性差は見られなかった。 所属別で一元配置分散分析を行った結果、「友人(女性)に紹介したい」に有意差が見られ、理科系より医療系の学生のほうに得点が有意に高かった(F (2,97)=4.680, p<.05)。
パンフレットに必要と思う内容について、性別でχ2検定を行った結果、「健康で充実した人生のために(χ2(1)=6.404、p<.05)」と「男性に多い性の悩み(χ2(1)=10.268、p<.01)」に性差があり、ともに男性で必要と回答した人が有意に多かった。
考 察
若い男女に結婚、出産をライフプランの中の重要項目として位置づけさせる目的で作成された教育用パンフレットは、大学生が興味をもてる重要な内容を扱っており、見やすさでも高い評価を得られたと考えられる。性的な内容については重要であるが、他者と話し合うのに抵抗があると考えられるため、大学生にとって授業で扱ってほしい内容であることも示唆された。
付記 本研究は、平成25年度厚生労働科学研究費補助金(政策科学総合研究事業)若い男女の結婚・妊娠時期計画支援に関するプロモーションプログラムの開発に関する研究の一部として行ったものである。