[PC089] 成人前期の女子大学卒業者の自尊感情に対する年齢・仕事・子どもの影響
キーワード:女子大学卒業者, 自尊感情, 規定要因
目的 本研究では,20代後半から30代にかけての女子大学卒業者を対象に,年齢や仕事の継続性(初職継続・転職・離職),子どもの有無が自尊感情に及ぼす影響について検討する。
方法 調査対象者:A女子大学卒業者1255名。20代前半(22-24歳)190名,20代後半340名,30代前半332名,30代後半376名,年齢不詳17名。
調査手続き:A女子大学の同窓会の協力を得て22歳~39歳に相当する年次の卒業者5000名を無作為に抽出し,郵送調査を実施し,1255名の回答を得た(東京家政大学自己分析研究会, 2012)。宛先不明で戻った74および年齢不詳17を除くと有効回収率25.5%)。
データと分析手順:回答者の年齢,仕事の継続性(初職継続・転職・離職),子どもの有無,ローゼンバーグの自尊感情尺度を測定する10項目(山本・松井 ・山成, 1982)をデータとした。自尊感情尺度に関しては最尤法で2因子抽出し,因子得点に影響する要因を独立に検討すべく,バリマックス回転を行った。因子得点の高いほど肯定的意味になるように測定値の再割り当てを行った。因子得点ごとに年齢区分×仕事の継続性,年齢区分×子どもの有無,それぞれ2要因の分散分析を行った。SPSS Ver. 21.0を使用した。
結果と考察
(1)自尊感情尺度の因子構造 第1因子は,「良い素質をもっている」「人並みに価値ある人間である」「自分に満足している」などに負荷が高く,積極的自尊感情の因子と解釈された。第2因子は,「全くだめな人間だと思うことがある」「役に立たない人間だと思う」「敗北者だと思う」などの逆転項目に負荷が高く,消極的自尊感情(自己に対して否定的自己評価をしない傾向)の因子と解釈された。
(2)年齢・仕事・子どもの影響 ①積極的自尊感情:初職継続組と転職組は年齢とともに増加傾向,離職組は20代後半に落ち込み30代に回復する傾向。積極的自尊感情への年齢の影響は0.1%水準で有意であった。②消極的自尊感情:子ども有り群は年齢とともに低下し,子どもいない群は年齢とともに増加傾向があった。
この交互作用は5%水準で有意であった。
消極的自尊感情への子どもの有無の影響は年代によって異なると考えられる。
方法 調査対象者:A女子大学卒業者1255名。20代前半(22-24歳)190名,20代後半340名,30代前半332名,30代後半376名,年齢不詳17名。
調査手続き:A女子大学の同窓会の協力を得て22歳~39歳に相当する年次の卒業者5000名を無作為に抽出し,郵送調査を実施し,1255名の回答を得た(東京家政大学自己分析研究会, 2012)。宛先不明で戻った74および年齢不詳17を除くと有効回収率25.5%)。
データと分析手順:回答者の年齢,仕事の継続性(初職継続・転職・離職),子どもの有無,ローゼンバーグの自尊感情尺度を測定する10項目(山本・松井 ・山成, 1982)をデータとした。自尊感情尺度に関しては最尤法で2因子抽出し,因子得点に影響する要因を独立に検討すべく,バリマックス回転を行った。因子得点の高いほど肯定的意味になるように測定値の再割り当てを行った。因子得点ごとに年齢区分×仕事の継続性,年齢区分×子どもの有無,それぞれ2要因の分散分析を行った。SPSS Ver. 21.0を使用した。
結果と考察
(1)自尊感情尺度の因子構造 第1因子は,「良い素質をもっている」「人並みに価値ある人間である」「自分に満足している」などに負荷が高く,積極的自尊感情の因子と解釈された。第2因子は,「全くだめな人間だと思うことがある」「役に立たない人間だと思う」「敗北者だと思う」などの逆転項目に負荷が高く,消極的自尊感情(自己に対して否定的自己評価をしない傾向)の因子と解釈された。
(2)年齢・仕事・子どもの影響 ①積極的自尊感情:初職継続組と転職組は年齢とともに増加傾向,離職組は20代後半に落ち込み30代に回復する傾向。積極的自尊感情への年齢の影響は0.1%水準で有意であった。②消極的自尊感情:子ども有り群は年齢とともに低下し,子どもいない群は年齢とともに増加傾向があった。
この交互作用は5%水準で有意であった。
消極的自尊感情への子どもの有無の影響は年代によって異なると考えられる。