[PC093] 子ども達の被災地での活動体験による意識の変化2
Keywords:継続性, 意識の変化
2011年に発生した東日本大震災後に,他国や日本の各地から被災地に対して,様々な支援がなされた。これまで支援は,支援する側と支援を受ける側が決まっており,それは強者が弱者に,富者が貧者に分け与えるものというイメージのものであった。しかしながら,同震災以降,その意識に変化が起きている。日本政府も,これまでは支援する側という視点であったが,「内外一体化・内外一元化」という循環型援助の視点を強く示すようになった。本稿は,規模の小さな事例ではあるが,宮城県I市H児童館への支援活動に関わったガールスカウトS団の中学生と高校生(以下,中学生等)の意識には,そのような変化が見られた。
本稿の目的は,活動に参加した中学生等の意識の変化に視点をおき,訪問が中学生等の意識や考え方にどのような影響を与えたかを明らかにすることである。
同活動は,現地側の訪問承諾後,初回・2回目共に,現地訪問までの間に中学生等自身が複数回の打ち合わせを実施している。初回訪問は2012年3月,2回目は2013年3月である。
これまでS団では,中学生になると自分達で観光旅行を企画し,成人と共に実施していた。そのような中,H児童館への義援金送付や成人だけで実施した現地訪問の話を聞き,I市への関心を抱くようになった。しかしながら初回訪問前は,初めての場所を訪問するだけでなく,初めて自ら考え自ら行動することを求められる活動であったため,被災地を訪問したいし支援への意欲はあるが,不安を愁訴する声も多く確認された。
初回訪問時,中学生等は被災地の実情を知り,H児童館で自分達が企画し立案した活動に意欲的に取り組んでくれる現地の小学生の姿に出会えた。この時点で,支援から交流へと意識が変化している。
中学生等は進級や卒業をするので,参加回数は全員一律ではない。2回目訪問前の打ち合わせの際には,初回を経験した者が2回目に初めて訪問する者に,「普段のS団の活動で,小学生に伝えるようにやったら良い。」等と助言をしていた。また,前回の実施時に学んだ現地の小学生にかかわるうえでの配慮事項,前回は事前準備不足であったこと,今回の活動案が述べられ,不安は確認されなかった。I市やH児童館の小学生について語った言葉を成人と中学生等で比較した場合,成人よりも中学生等の方が鋭い感受性で捉えているとも推測する。
本調査の結果,単に被災地で体験をすれば良いのではなく,訪問する前に自らが考え行動する為の打ち合わせの場をもつことが,意識の変化,意欲の向上,及び現地での学びを受け入れる為の準備にもつながることと,その必要性も推測された。直接的な支援・交流の効果も,確認された。一方,今後の課題として,災害が発生した時点からさらに時間を経ていく中で,現地の保育者や子ども達にとってどのような支援・交流が望ましいかを,成人が現地のニーズを把握しながら,中学生等と共に常に検討していく必要があると考える。
本稿の目的は,活動に参加した中学生等の意識の変化に視点をおき,訪問が中学生等の意識や考え方にどのような影響を与えたかを明らかにすることである。
同活動は,現地側の訪問承諾後,初回・2回目共に,現地訪問までの間に中学生等自身が複数回の打ち合わせを実施している。初回訪問は2012年3月,2回目は2013年3月である。
これまでS団では,中学生になると自分達で観光旅行を企画し,成人と共に実施していた。そのような中,H児童館への義援金送付や成人だけで実施した現地訪問の話を聞き,I市への関心を抱くようになった。しかしながら初回訪問前は,初めての場所を訪問するだけでなく,初めて自ら考え自ら行動することを求められる活動であったため,被災地を訪問したいし支援への意欲はあるが,不安を愁訴する声も多く確認された。
初回訪問時,中学生等は被災地の実情を知り,H児童館で自分達が企画し立案した活動に意欲的に取り組んでくれる現地の小学生の姿に出会えた。この時点で,支援から交流へと意識が変化している。
中学生等は進級や卒業をするので,参加回数は全員一律ではない。2回目訪問前の打ち合わせの際には,初回を経験した者が2回目に初めて訪問する者に,「普段のS団の活動で,小学生に伝えるようにやったら良い。」等と助言をしていた。また,前回の実施時に学んだ現地の小学生にかかわるうえでの配慮事項,前回は事前準備不足であったこと,今回の活動案が述べられ,不安は確認されなかった。I市やH児童館の小学生について語った言葉を成人と中学生等で比較した場合,成人よりも中学生等の方が鋭い感受性で捉えているとも推測する。
本調査の結果,単に被災地で体験をすれば良いのではなく,訪問する前に自らが考え行動する為の打ち合わせの場をもつことが,意識の変化,意欲の向上,及び現地での学びを受け入れる為の準備にもつながることと,その必要性も推測された。直接的な支援・交流の効果も,確認された。一方,今後の課題として,災害が発生した時点からさらに時間を経ていく中で,現地の保育者や子ども達にとってどのような支援・交流が望ましいかを,成人が現地のニーズを把握しながら,中学生等と共に常に検討していく必要があると考える。