日本教育心理学会第56回総会

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ポスター発表 PD

(5階ラウンジ)

2014年11月8日(土) 10:00 〜 12:00 5階ラウンジ (5階)

[PD051] 学習障害の高校生・大学生の教室におけるノートテイク支援の事例検討

ノートテイク支援を契機とした自尊心の向上とクラスワイド支援への展開の可能性

吉田ゆり (長崎大学)

キーワード:学習障害, ノートテイク, 自尊心

問題提起と目的
学習障害のある生徒・学生の学上の課題の一つである学習支援におけるノートテイク支援の目的は“情報保障サポート”である。聴覚障害学生以外の,特に同時処理や協応動作の困難が指摘される学習障害はノートテイクを苦手とすることが指摘されているが,高校生や大学生の支援事例の報告はほとんどない。本稿では,学習障害の高校生・大学生へ学習支援の一環としてノートテイク支援を行った4事例を報告する。支援方法を検討,さらに,ノートテイク支援を契機として本人の自尊心向上やクラスワイド支援への展開の可能性について検討する。
事例の概要及び結果と考察
学習障害のある高校生2例,大学生2例の事例のノートテイク支援の経過についてまとめ報告する。支援経過等表に示す。
・学習障害の症状に幅があるため支援方法は実態に応じた”オーダーメイド”が基本。アセスメントの充実,教員の理解やクラスメイトの理解など学校の実情に合わせた支援計画の見直しの必要性の上でクラスワイド支援の契機となり得る。
・事例からノートテイク支援は教員や他の生徒・学生の理解を必要とし,カミングアウトの契機となり,理解が得られることで本人の自尊心の向上が見られた。