[PD054] 児童精神科クリニックと学校との連携の試み
発達障害の理解と対応を中心とした学校連携
Keywords:発達障害, 障害理解
目的
不登校や発達の問題で子どもたちが児童精神科を受診する場合,児童生徒が一日の大半を過ごす学校での様子がもっとも見えてこないために,来院する児童生徒が抱える問題が見えないまま治療が進む場合が多い。
当クリニックでは,平成23年度より担任を始め子どもにかかわる学校教職員等との面接を通して子どもについての情報を共有し具体的な対応や手立てについて医療の立場から説明を行っている。この情報共有のための面接を含めて学校連携と位置づけている。ここでは平成25年度に実施した学校との連携について検討する。
方法
平成25年度に当クリニックが実施した学校との連携について実施状況をまとめ,併せて教職員へのアンケート調査を実施した。
結果
調査は,連携内容4項目について5件法で回答, その他の5項目については該当する項目を選択。
調査時期:平成26年3月 回収率70% n=33
1.説明についての評価の平均値(5~1点)
(1)児童生徒の特性の説明 4.1
(2)児童生徒の対応や配慮の説明 4.1
(3)心理検査の結果説明 4.0
(4)服用中の薬の説明 3.9
2.指導に役立った項目(複数回答33~0点)
(A)子どもの理解 23
(B)子どもへの対応 24
(C)保護者への対応 15
(D)他の児童生徒を含む学級経営 4
(E)他の児童生徒を含む生徒指導 4
クリニックからの説明については,概ね高評価であった。子どもの理解と対応は表裏一体で日々の指導に役立っているが,保護者への対応についても高得点を得ていることに注目すべきである。
【連携実施状況】
連携児童生徒数:42名 のべ連携件数47件
学年別連携件数では中学3年の件数が高い。卒業後の適切な進路選択,宿泊を伴う修学旅行での配慮事項についての情報共有が中心である。
月別連携件数で5月が一番高いのは,新年度の早期に対応や配慮について把握しておきたいという学校側のニーズがあると考えられる。また5月末から6月上旬に発達障害の児童生徒が苦手とする運動会があることも関係している。
考察
不適応を起こし医療機関を受診している児童生徒のためには迅速な対応が望まれる。そのためにはクリニックと学校の連携が円滑に進められるよう連携のシステムを整備することが必要である。
連携件数は開始当初の平成23年度より増加傾向にはあるが,全児童生徒患者数からすると少数である。子どもたちと保護者の不安を学校との連携によって少しでも軽減することが,児童精神科クリニックとしての今後の課題である。
不登校や発達の問題で子どもたちが児童精神科を受診する場合,児童生徒が一日の大半を過ごす学校での様子がもっとも見えてこないために,来院する児童生徒が抱える問題が見えないまま治療が進む場合が多い。
当クリニックでは,平成23年度より担任を始め子どもにかかわる学校教職員等との面接を通して子どもについての情報を共有し具体的な対応や手立てについて医療の立場から説明を行っている。この情報共有のための面接を含めて学校連携と位置づけている。ここでは平成25年度に実施した学校との連携について検討する。
方法
平成25年度に当クリニックが実施した学校との連携について実施状況をまとめ,併せて教職員へのアンケート調査を実施した。
結果
調査は,連携内容4項目について5件法で回答, その他の5項目については該当する項目を選択。
調査時期:平成26年3月 回収率70% n=33
1.説明についての評価の平均値(5~1点)
(1)児童生徒の特性の説明 4.1
(2)児童生徒の対応や配慮の説明 4.1
(3)心理検査の結果説明 4.0
(4)服用中の薬の説明 3.9
2.指導に役立った項目(複数回答33~0点)
(A)子どもの理解 23
(B)子どもへの対応 24
(C)保護者への対応 15
(D)他の児童生徒を含む学級経営 4
(E)他の児童生徒を含む生徒指導 4
クリニックからの説明については,概ね高評価であった。子どもの理解と対応は表裏一体で日々の指導に役立っているが,保護者への対応についても高得点を得ていることに注目すべきである。
【連携実施状況】
連携児童生徒数:42名 のべ連携件数47件
学年別連携件数では中学3年の件数が高い。卒業後の適切な進路選択,宿泊を伴う修学旅行での配慮事項についての情報共有が中心である。
月別連携件数で5月が一番高いのは,新年度の早期に対応や配慮について把握しておきたいという学校側のニーズがあると考えられる。また5月末から6月上旬に発達障害の児童生徒が苦手とする運動会があることも関係している。
考察
不適応を起こし医療機関を受診している児童生徒のためには迅速な対応が望まれる。そのためにはクリニックと学校の連携が円滑に進められるよう連携のシステムを整備することが必要である。
連携件数は開始当初の平成23年度より増加傾向にはあるが,全児童生徒患者数からすると少数である。子どもたちと保護者の不安を学校との連携によって少しでも軽減することが,児童精神科クリニックとしての今後の課題である。