日本教育心理学会第56回総会

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ポスター発表 PE

(5階ラウンジ)

2014年11月8日(土) 13:30 〜 15:30 5階ラウンジ (5階)

[PE029] 教員の自己形成を支援する熟達化モデルの開発(4)

石上浩美 (大手前大学)

キーワード:教員養成, 研修, 自己形成

問題と目的
教育現場では,今後「大量の経験不足の教員と少数の多忙な中堅教員,新しい時代の学校運営に対応できない管理職により運営される学校が,全国各地に生まれるといった状況」(中央教育審議会報告,2011)に陥る可能性が指摘されている。そのため,教員が教職生活の全体を通じて不断に専門性を高めていくための外的支援や研修のあり方,個々の現場の事例や実態に即した教員支援の具体化,さらには養成・採用・研修システムの改善が急務となっている。これまでに石上(2011
;2012;2013)は,若手教員の職務上の葛藤・困難観とその対処方法,および教職イメージについて分析するとともに,教員の自己形成を支援するための外的なモデルが必要であることを示してきた。そこで本研究では,1)初任者教諭,若手教諭,中堅教諭,ベテラン教諭の4つのコホートにおける職務認識についての比較を行い,今後どのような支援が必要とされているのか,それが教員の自己形成やキャリア発達どのように関連づけられるのかを明らかにすることを目的とする。

方法
〇調査協力者:O市公立小学校・中学校・高等学校に勤務する教諭・常勤講師を対象に,校内で質問紙を配布,郵送方式で回収した。非常勤講師については,学校における勤務形態に差異があるため,本調査では対象外とした。
〇調査期間:20XX年7月-8月。
〇調査方法と内容: 5件法よる質問紙調査。
調査項目は白井(1998)および国立教育政策研究所「教員の質の向上に関する調査研究報告書(2011,3)調査票などを参考に独自に作成した。

結果と考察
質問紙回収数:小学校教員:226名,中学校教員:166名,高等学校教員:87名,計479名から回答を得た(回収率75%)。今回の数値データ分析では,小学校・中学校・高等学校教員の職務認識に有意な差異は見られなかったが,それぞれのコホートの特徴については,ある程度示すことができた。

※本研究の進捗状況は,以下URLで公開している
http://kyoto-seika.org/kaken-manabi/index.html