The 56th meeting of the Japanese association of educational psychology

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ポスター発表 PF

(5階ラウンジ)

Sat. Nov 8, 2014 4:00 PM - 6:00 PM 5階ラウンジ (5階)

[PF061] 対象とのかかわりを深める思考のモデル化

生活科ハムスター発見カードの質的分析による認知の分類を通して

前園兼作1, 米澤好史2 (1.横浜市立大岡小学校, 2.和歌山大学)

Keywords:思考過程, 気付きの質の高まり, 生活科

研究の目的
前園(2012)では,かかわりを深める認知機能として,対象とのかかわりを深める循環とそれを支えるように働く真実追究思考,手応え価値付け思考,問題意識に基づく解決的思考の存在を明らかにした。さらに詳細に認知の分類をして,個人のカード全体を通した思考のつながりを分析することで,それぞれの思考の働きを明らかにすることを目的とする。
方法
小学校一年生の生活科「ハムスターとなかよし」(平成22年9月から平成23年3月までグループで飼育した実践)から得られた発見カードを分析対象とした。文章内の言葉から文章をつくるときに使われている視点を整理し,それを基に,さらに文章を一つの単位とした認知の分類や,認知と認知をつなぐ思考を整理する。
結果
対象のふるまいや特徴から好き嫌いや特性能力など概念化したり,逆にふるまいや特性の違いや意味を説明したりするなどの『□真実追究思考』。対象や自分の喜び,ふるまいの変化の理由や抱っこできる自分,関係が良くなっている実感などの『○手応え価値付け思考』。対象や自分の困り感,ケガしたといった問題状況の認知,友達とのかかわり方の不一致などの『△問題意識に基づく思考』を整理した。思考の組み合わせによってかかわりの深まりに違いが見られた。(例:新聞紙とハムスター)
考察
好き嫌いの概念化(真実追究思考)が,より確かな手応えに近づけたり(?),対象の喜び認知(手応え思考)が友達との不一致(問題意識)を際立たせたり(?),三つの思考は相互に影響し合う。三つの思考を働かせる組み合わせは人それぞれ(?~?)だが,手応えや問題意識,真実追究がつながると,かかわりは深いものになる。