[PF099] 工学部大学生の職業観とキャリア成熟との関連性
職業観に関する自由記述データの探索的検討を通して
キーワード:職業観, キャリア発達
問 題
現在,様々な社会的ニーズに対応するため、体系的なキャリア教育の推進が求められているが,課題も多い。例えば若年無業者の増加や新卒者の早期離職率の高さなど学校から社会への円滑な移行が行われていないといった問題はしばしば指摘される。それらの問題の原因や背景を探る上で,若者の職業観の様相やまた,それらが大学生のキャリア発達とどのような関連性があるのかを明らかにすることは重要だと考える。本研究では自由記述データをもとに職業観とキャリア成熟との関連性について検討を行った。
方 法
調査協力者:工学部大学生67名
手続き:調査は大学の講義の中で質問紙調査法により行われた。
調査内容:質問紙は坂柳(1999)により作成された成人キャリア成熟尺度と職業(勤労)観に関する4つの質問から構成された。キャリア成熟尺度は,関心性,自律性,計画性の3つの下位尺度の各7項目(合計27項目)について自分の考えにあてはまる程度を5件法で回答を求めた。職業観に関する質問は,「働く理由」,「社会人と学生の違い」のそれぞれについて自由記述による回答を求めた。
結 果 及び 考 察
分析にあたっては,まずテキスト型データ解析ソフトWordMinerを利用して,「仕事をする理由」,「社会人と学生の違い」への自由記述からキーワードを抽出した。それらキーワードにキャリア成熟の「関心性」「自律性」「計画性」のそれぞれの得点について中央値により高低群にグループ化し,質的変数として加えた上で,対応分析を行った。その結果をFig.1及びFig.2に示した。結果から,例えば「働く理由」について自律性が高い人は「生きがい」「社会貢献」「社会的地位」を挙げるのに対して,自律性が低い人は「人間関係」を挙げていた。また,「社会人と学生の違い」について,自律性が高い人は「社会貢献」「目的意識」を挙げていたが,自律性が低い人は「自由時間」「人間関係」「親との関係」などを挙げていた。このことからキャリア成熟における自律性の高低は,大学生の職業観の発達と関連する可能性が示唆された。
現在,様々な社会的ニーズに対応するため、体系的なキャリア教育の推進が求められているが,課題も多い。例えば若年無業者の増加や新卒者の早期離職率の高さなど学校から社会への円滑な移行が行われていないといった問題はしばしば指摘される。それらの問題の原因や背景を探る上で,若者の職業観の様相やまた,それらが大学生のキャリア発達とどのような関連性があるのかを明らかにすることは重要だと考える。本研究では自由記述データをもとに職業観とキャリア成熟との関連性について検討を行った。
方 法
調査協力者:工学部大学生67名
手続き:調査は大学の講義の中で質問紙調査法により行われた。
調査内容:質問紙は坂柳(1999)により作成された成人キャリア成熟尺度と職業(勤労)観に関する4つの質問から構成された。キャリア成熟尺度は,関心性,自律性,計画性の3つの下位尺度の各7項目(合計27項目)について自分の考えにあてはまる程度を5件法で回答を求めた。職業観に関する質問は,「働く理由」,「社会人と学生の違い」のそれぞれについて自由記述による回答を求めた。
結 果 及び 考 察
分析にあたっては,まずテキスト型データ解析ソフトWordMinerを利用して,「仕事をする理由」,「社会人と学生の違い」への自由記述からキーワードを抽出した。それらキーワードにキャリア成熟の「関心性」「自律性」「計画性」のそれぞれの得点について中央値により高低群にグループ化し,質的変数として加えた上で,対応分析を行った。その結果をFig.1及びFig.2に示した。結果から,例えば「働く理由」について自律性が高い人は「生きがい」「社会貢献」「社会的地位」を挙げるのに対して,自律性が低い人は「人間関係」を挙げていた。また,「社会人と学生の違い」について,自律性が高い人は「社会貢献」「目的意識」を挙げていたが,自律性が低い人は「自由時間」「人間関係」「親との関係」などを挙げていた。このことからキャリア成熟における自律性の高低は,大学生の職業観の発達と関連する可能性が示唆された。