The 56th meeting of the Japanese association of educational psychology

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ポスター発表 PG

(5階ラウンジ)

Sun. Nov 9, 2014 10:00 AM - 12:00 PM 5階ラウンジ (5階)

[PG003] 小学6年生を対象とした思考力トレーニングとその効果に関する探索的検討(1)

情報を分析する力を伸ばすプログラム作り

塚原望1, 遠田将大2 (1.早稲田大学大学院, 2.早稲田大学)

Keywords:非連続型テキスト, 情報分析, プログラム作成

【目的】
本研究では、小学6年生に向けた「情報を分析する力」を育てるための思考力トレーニングのプログラム作成および実践とその効果の検証を目的とする。
【方法】
対象:N県内の私立小学校6年生1クラス35名(男子16名、女子19名)時期:2013年11月上旬から一か月。調査内容:「学習意欲と思考力に関する尺度」(発表準備中)の中から「分析的思考」に関する部分をプログラム前後で実施した。
この学級には昨年度、「関連付け」の力を伸ばすための思考力トレーニングを行なっており、一定の成果が上がっている(塚原,遠田,2013)。昨年度と同様に、担任へのヒアリングを行いターゲットとなる思考力を選定した。その結果「情報を分析すること」が今回の課題として挙げられた。
【結果と考察】
全3回のプログラムは以下のようになった。

本プログラムでは毎回、文字情報だけでなく、図や表などの非連続型テキストも児童に提示した。その中で第1回では仮説の真偽を判断し、第2回では分析した情報から自分の意見を作り、第3回では情報を元に二者の比較をするという活動を行った。効果の検証としてプログラム実施前後で「分析的思考」に関する尺度を実施しt検定を行ない、その結果を以下にまとめた。

結果として、児童らは現状を分析するために原因を探るなどの分析的思考ができるようになったものと考えられる。また全3回の児童のワークシートの記述を分類した結果、以下のようになった。

ここで扱っている記述は、児童が資料の情報を分析し、自分の考えを述べたものである。第1回と第3回を比較した結果、「一部適切な記述」「過不足なく適切な記述」をした児童の割合が増えている。以上のことから本プログラムは児童の「情報を分析する力」に一定の効果をもたらしたと考えられる。
※本研究は、奈良県との共同事業に基づき行われた。(平成24年度 私立学校教育における規範意識の向上事業)