日本教育心理学会第56回総会

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ポスター発表 PG

(5階ラウンジ)

2014年11月9日(日) 10:00 〜 12:00 5階ラウンジ (5階)

[PG006] 「新入生歓迎会」の準備過程における“オリター”の意識変化

情報共有意識,目標設定および満足度の経時的推移

後藤靖宏 (北星学園大学)

キーワード:新入生歓迎会, オリター, 経時的推移

高校から大学への移行時には,学習面に加えて,新たな環境や人間関係の構築に対する不安といったような,学習面以外にも問題があることが多い。後藤(2012, 2013)では,そうした問題を解決するために行われた「新入生歓迎会」(以下“歓迎会”)の内容や方法および不安低減の効果について検討し,「対人不安」や「環境不安」,大学不適応」といった要素は歓迎会によって低減されることが分かった。本研究では,歓迎会を準備する在学生に焦点を当て,情報共有意識や目標設定,あるいは企画に対する満足度がどのように変化するかを詳細に検討することとする。
【新入生歓迎会の概要】
著者所属学科(以下“心コミ学科”)では入学直後の土曜日の半日をかけて歓迎会を実施している。この会は約3ヶ月をかけてオリターと呼ばれる学科の上級生が主体となって準備が行われる。歓迎会を成功させるためには,準備過程において発生する様々な問題を適切に解決することが必要になる。この歓迎会の準備がスムーズに準備が行われていたのかを検証するために,オリターを対象として調査を行った。
【歓迎会準備過程の意識変化】
調査対象者 オリター38名。
質問項目 歓迎会準備期間において「情報の共有」,「目標設定」,「満足度」に関する33項目を7件法で評定させた。
調査日程 第1回(中間報告会),第2回(リハーサル1週間前),第3回(最終報告会),第4回(前日)および第5回(歓迎会後)。
結果 「情報の共有」内の項目や目標設定に関する項目で主効果が見られた。また,企画に対する自信や満足度についても同様の結果が観察された(図)。
【総合的考察】
「情報の共有」では時期により差が見られる項目があった。準備期間中定期的なミーティングの他に各自で集まって作業をするなど,オリター同士で企画内容について理解を深めていったのであろう。「目標の設定」については,試行錯誤の中で問題を解決していくことで役割が明確になり,イメージしやすくなっていったのではないかと考えられる。「満足度」に関しては,ミーティングが楽しいという気持ちやアイディアが生かされていると思うといった充実感が,がリハーサル前と本番前とでは異なっていることがわかった。「色々な人と関われた」や「達成感を得ることができた」,あるいは「学科を知ることができた」といった意見が多かった。
以上を踏まえると、歓迎会は新入生にとって意義があるだけでなく,在学生にとっても非常に有効なイベントであり学科帰属意識が高まり,その後も充実した学生生活を送るきっかけに成りうる。