The 56th meeting of the Japanese association of educational psychology

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ポスター発表 PG

(501)

Sun. Nov 9, 2014 10:00 AM - 12:00 PM 501 (5階)

[PG078] 連想方略と記憶の保存性

概念地図法を参考にして

皆川順1, 伴浩美2 (1.山陽学園短期大学, 2.長岡技術科学大学)

Keywords:連想課題, 概念地図法, 連想方略

問題と目的
皆川(2013)は概念地図法(concept mapping)に関連して、学生の認知構造を見るために連想課題を施行した。連想の方略はA4の用紙に連想語を描かせることを通じて判断した。
この時、連想方略は、並列連想(*特定の概念からいくつかの連想が並列的に出現するもの)、イメージ連想(*概念からイメージ化して連想が進むもの)、階層的連想(*概念地図のように、概念が階層的に連想が進むもの)、連鎖連想(*特定の語彙から連鎖的に連想が進むもの)に区分された。実際にはほとんどの連想は混合型ではあったが、その中で最も連想語の多い方法をそのタイプとした。この実験においては『心理学、学習、条件づけ』を刺激語として連想語を反応語としたが、当該単元に対するテスト成績は、階層的連想群が最も優れ、並列連想群がそれに続いた。
今回はその後に再び同様な連想課題を行い、記憶がどのように残存しているかについて検討した。

方法
実験参加者 岡山県私立X短期大学学生64名。男子3名、女子61名。ただし連想不可能なデータ、無関係な語のみを書いたデータは集計から除外した。実験は、講義の一部として行われた。

日時
平成25年12月。第一実験から4ヶ月後。

教示
まず用紙に学籍番号、氏名を記入しなさい。次に 『心理学、学習、条件づけ』という3つの言葉をから連想する言葉を、配布されたA4の白紙に自由に書きなさい。この3つの言葉は用紙のどこに書いても構いません。制限時間は30分とします。はい!と言ったら始めてください。やめ、と言ったら鉛筆を置いて下さい。それから回収します。

結果
前回の実験及び今回の実験結果はそれぞれFigure 1, Figure 2のとおりである。

なお前回の結果では並列7名、イメージ18名、 階層的9名、連鎖10名であったが今回はそれぞれ5名、14名、9名、8名であった。いずれもその他は連想不能群と見なされ集計から除外された。

Figure 1 前回の各群の「心理学」得点結果

Figure 2 今回(4ヶ月後)の各群の得点
今回の結果はF(3,32)=13.18,p<.001で有意であった。Tukey法による多重比較によれば、階層的連想群の学業成績は他のすべての群よりもすぐれていた(p<.01,ただし並列連想群とはp<.05).

考察
結果は予想通り、階層的方法を採用した群が最も優れたが、前回は並列連想群と有意差が無く、今回もp<.05に留まった。このことから並列連想方略もある程度、知識保存に効果的である可能性が窺われる。