The 56th meeting of the Japanese association of educational psychology

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ポスター発表 PH

(5階ラウンジ)

Sun. Nov 9, 2014 1:30 PM - 3:30 PM 5階ラウンジ (5階)

[PH011] 東日本大震災において学校が担う役割と学校支援(1)

養護教諭が行った活動と専門性に関する調査より

西野美佐子1, 平川昌宏1, 内藤裕子1, 沼山博2, 荒井美智子3 (1.東北福祉大学, 2.山形県立米沢女子短期大学, 3.聖和学園短期大学)

Keywords:東日本大震災, 学校, 養護教諭

[目的]本研究は,今後大きな災害が生じた当初、学校が地域復興の拠点としての役割を期待される。そこで,学校の日常性を取り戻すためにも,どのような支援を学校及び教職員に対して行うことが学校の力を強化することになるのか,災害時必要な支援の内容と方法、および備えについて,調査した結果を報告するものである。
[方法]
郵送法による質問紙調査を実施した。
<対象>宮城県内の全小学校410校・中学校207校・高等学校74校・特別支援学校22校,合計713校に勤務する養護教諭を対象とした。
<時期>2013年8月に配布し,9月中旬に回収した。
<調査の内容>(今回報告するものに限定した内容)
(1)フェースシート:勤務校(学校種・震災時以降の勤務校所在市町村)・経験年数(2)震災後、養護教諭が勤務校以外で行った支援・ボランティアの有無と内容、それは依頼されたものか,自発的なものか,通常の養護教諭の知識やスキルとの関連(3)勤務校で養護教諭が行った活動(避難所運営及び学校保健・教育活動について)(3)この時期に避難所運営や学校保健・教育活動を行う上で,上司や同僚,ボランティアや外部機関などから得られた支援、必要と感じた支援について,情緒的・情報的・物質的・人的・その他の支援別に5段階評定を求めた。必要とした支援については具体的に記入してもらった。(4)今後災害が生じた時に,学校が避難所運営を行うことについて今回の経験を通しての意見,経験していないが不安に思うことなどを自由に記入してもらった。
[結果]
Ⅰ.フェースシート結果:1)回収数:368名の養護教諭から回答が寄せられた(回収率51.6%)。2)震災時の勤務校:小学校(184人),中学校(85人),高等学校(35人),特別支援学校(12人)であった。3)経験年数:20年以上が183人(51.9%:30年以上72人を含む),10年以上20年未満が79人(22.3%),5年以上10年未満は55人(15.5%),5年未満が37人(10.4%)であった。
Ⅱ.勤務校以外での養護教諭の資格を生かした支援活動やボランティア活動:「ある」:27人(7.3%)。その内「依頼された」と回答:11人(2.9%)。
Ⅲ.震災後から学校再開までに勤務校で行った職務・作業 1)沿岸地区と内陸地区の比較:沿岸地区にある学校と内陸地区にある学校と異なる結果であった。災害直後の養護教諭の校務である学校保健・教育に関する活動も、避難所開設運営の仕事によって災害直後の養護教諭の仕事が避難所を運営しなかった学校に勤務する養護教諭の仕事量より多く沿岸地区の方が有意に多い。
2)専門性との関連:沿岸地区の養護教諭は専門的知識以上の知識やスキルを必要と感じていた。
謝辞:本研究は東北福祉大学感性福祉研究所における文部科学省の私立大学戦略的研究基盤形成支援事業(平成24年度~28年度)による私学助成を受けている.