日本教育心理学会第56回総会

講演情報

ポスター発表 » ポスター発表 PH

ポスター発表 PH

(501)

2014年11月9日(日) 13:30 〜 15:30 501 (5階)

[PH079] 幼稚園教諭志望学生の被援助志向性への介入の試み

附属幼稚園におけるおはなし会の実践とフィードバックの効果

本田真大 (北海道教育大学)

キーワード:幼稚園教員養成, 被援助志向性, 援助要請

【問題と目的】
学校教員の精神障害等による離職の予防や学校内外との連携・協働による教育実践の質の向上のために被援助志向性の促進が重要であり(田村・石隈,2006),教員養成においても求められよう。実際に教員養成における被援助志向性やチーム援助志向性を高めるための実践研究は既にいくつか報告されているものの(本田,2012;田村,2012),更なる知見の蓄積が必要であろう。
そこで本研究では幼稚園教諭を志望する大学生を対象とし,幼稚園教諭としての被援助志向性を促進するための教育プログラムの効果を検証する。
【方法】
対象者:A大学における「幼児の言葉」の授業をX年度に履修し,調査に同意が得られた大学生16名(男性2名,女性14名,平均年齢20.00歳)。
プログラムの構成:第1フェイズ(#1~#10)は大学でのおはなし会の準備と予行練習,第2フェイズ(#11~#12)は附属幼稚園におけるおはなし会の実施と幼稚園教諭からのフィードバック,第3フェイズ(#13~#15)は大学でおはなし会実践時のビデオを用いたフィードバックであった。
質問紙の構成:第1フェイズ冒頭,第2フェイズ後,第3フェイズ後の3時点において,(1)幼稚園教員養成スタンダード(別惣他,2011)のうち3つの下位尺度(Table1),(2)保育者効力感(三木・桜井,1998),(3)特性被援助志向性(田村・石隈,2006)が,すべて5件法で尋ねられた。
【結果と考察】
3時点のデータが揃っていた12名のデータを分析に用いて,時期を要因とする被験者内分散分析を行った。分析の結果,「保育内容の展開力」と「保育評価・改善力」は幼稚園でのおはなし会の実践とフィードバック後に上昇し,幼児を対象とした実践経験が影響したと考えられる。また,「幼児理解力」と「保育者効力感」はビデオフィードバック後に上昇し,自らの実践を客観的に振り返ることで高まったと考えられる。これらの結果から,幼稚園教諭としての資質・能力の側面ごとに適した教育プログラムが明らかになったと言える。
被援助志向性に有意な変化がなかったことには,介入前の時点での得点の偏りの大きさの影響と,教育プログラムが有効ではなかった可能性が考えられる。今後は被援助志向性の促進要因を介入プログラムに含めた効果の検証が課題である。