The 56th meeting of the Japanese association of educational psychology

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ポスター発表 PH

(501)

Sun. Nov 9, 2014 1:30 PM - 3:30 PM 501 (5階)

[PH081] 大学生の相談行動に関する研究(3)

入学半年後の大学生の悩みと実際の相談行動

牧野幸志 (摂南大学)

Keywords:相談行動, 大学生, 悩み

問題 と 目的
本研究は,大学入学半年後の1年生の大学生がどのような悩みを抱え,その悩みを誰に相談し,どのように解決しようとしているのかを明らかにすることを目的とする。高校を卒業し大学に入学して,半年ほど経過した大学生がどのような悩みを持ち,誰に相談しているのかが明らかになれば,大学生活の悩みの解決方法を探る手がかりとなるだろう。また,大学生の実際の相談行動を調査し,どのような内容を誰に相談して,どこまで解決しているのかを明らかにする。
方 法
調査参加者 調査は,「大学生の日常生活に関する調査」として,無記名式で行った。調査参加者は大阪府内の私立大学に通う大学生156名(男性113名,女性43名,平均年齢18.69歳,年齢幅18~26歳)であった。調査参加者全員が1年生であった。調査時期は9月。したがって,調査参加者は入学後半年が経過している。
質問紙の構成 質問紙の構成は,現在の悩みの有無(ある,なし) 学校カウンセラー・病院カウンセラーへの相談意志(ある,なし) 現在の悩みの有無(恋愛,友人関係,親子関係,自分の性格・容姿,就職などの将来,バイト先,無気力) 悩みがある際の相談相手(悩みごとに,恋人,同性友人,異性友人,親,カウンセラー,その他,誰にも相談しない,誰にも相談できない,の中から1つ選択) 最近3カ月間の相談行動 相談の有無(ある,ない) 相談内容(恋愛,友人関係,親子関係,自分の性格・容姿,就職などの将来,バイト先,無気力) 第1相談相手(恋人,同性友人,異性友人,親,カウンセラー,その他) 相談結果(未解決気分晴れず,未解決気分晴れる,解決の糸口あり,解決)の中から1つ選択 他の相談相手の有無(人数)
結果 と 考察
各悩みの有無と相談相手 恋愛 約36%の人が恋愛における悩みを抱えていた。相談相手は同性友人と答えた人が約59%,次いで異性友人が約18%,「相談しない」という人が約16%であった。友人関係 友人関係について悩みを持っている人は,全体の16%であった。相談相手は,同性友人が最も多く約69%,次いで親に相談すると答えた人が約12%であった。親子関係 親子関係についての悩みを抱えている大学生は約17%であった。相談相手は同性友人が最も多く約22%であり,次いで「誰にも相談しない」という人が約19%であった。自分の性格・容姿 約53%の大学生が自分の性格・容姿についての悩みを持っていた。このような悩みを持つとき「誰にも相談しない」という人が約36%,同性友人に相談するという人が約27%であった。就職など将来 約74%の人が就職など将来についての悩みを持っていた。その際の相談相手は,親が最も多く約44%であった。次いで,同性友人(27%)であった。無気力 約34%の大学生が無気力を感じていた。その際の相談相手は,同性友人が最も多く約64%を占めていた。次に「誰にも相談しない」(約11%),「誰にも相談できない」(約11%)という学生がみられた。
大学生の実際の相談行動 実際に3カ月以内に誰かに悩みを相談した学生は,約46%(72名)であった。半数近くの大学生が誰かに何らかの相談をしていた。その相談内容は,恋愛関係(約35%),バイト関係(約22%),友人関係(約13%)が多かった。相談相手は,全体では同性友人(約56%)と圧倒的に多く,次いで親(22%)であった。相談した結果どのようになったかを調査したところ,相談により解決の糸口が見つかった(約40%),解決はしなかったが気分が晴れた(約33%)という回答が多かった。同じ悩み内容でも他の人にも相談している人が60%近くいた。