The 57th meeting of the Japanese association of educational psychology

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ポスター発表

ポスター発表 PA

Wed. Aug 26, 2015 10:00 AM - 12:00 PM メインホールA (2階)

[PA064] 幼児期の遊びへの関わり方の違いとその影響

自己調整力,好奇心探究心,表現力を中心に

角谷詩織1, 梅川智子#2, 渡邉典子#3, 亀山亨#4 (1.上越教育大学大学院, 2.上越教育大学附属幼稚園, 3.上越教育大学附属幼稚園, 4.上越教育大学附属幼稚園)

Keywords:幼児期, 遊び, 自己調整力

問題・目的
幼児(年少・年中・年長児)が遊びこんでいるエピソード中における遊びへの関わり方の違いが,幼児期に育まれるべき力―自己調整力,好奇心探究心,表現力―の違いを生み出す可能性を検討する。
方 法
調査対象 新潟県内の幼稚園3歳児(男児6名,女児7名),4歳児(男児2名,女児16名),5歳児(男児16名,女児9名),計56名。
遊びこみエピソードの抽出 2014年4月~12月にみられた幼児の遊びを,各クラスの主担任が感じた遊びこみの程度に基づき,「遊びこみ度1(遊べていない)」~「遊びこみ度5(教師全員一致で遊びこんでいる)」に分類した。「遊びこみ度5」のエピソードは,3歳,4歳児クラスで各7事例ずつ,5歳児クラスで6事例抽出された。各クラスの「遊びこみ度5」の特性をTable 1に記す。
遊びこみエピソードへの登場回数のカウント 各幼児について,「遊びこみ度5」のエピソードに登場する回数をカウントした。その際,「遊びこんでいる(メイン)」,「ある程度積極的に遊びに関わっている(サブ)」,「周辺的に遊びに参加している(その他)」に分類してカウントした。
幼児の評価 2015年1月,各クラスの主担任により,各幼児について,遊びこみ度,自己調整力,好奇心探求心,表現力の評価を4段階で行った。
結 果
エピソード登場回数内訳をTable 2に記す。
幼児の評価得点のMおよびSDをTable 3に記す。
遊びこみ度,エピソード登場率と,自己調整力,好奇心探究心,表現力との相関をTable 4に記す。3歳児と4歳児はほぼ同様の傾向を示したため,まとめた結果を記す。
考 察
「遊びこみ度5」と教師に評価された遊びにおいても,そこへの関わり方により,幼児に育まれる自己調整力に違いが生じる可能性が示唆された。主体的に遊びに関わることの多い幼児ほど,自己調整力の促進的側面に関わる力が育まれる可能性が見出された。また,教師は,遊びを一つの単位として遊びこみの程度を評価しつつ,そこに関わる幼児一人一人についても,同時に,遊びこみの程度を的確に評価している可能性が示唆された。