[PB021] 小学校高学年における心理教育“サクセスフル・セルフ” を活用した親子コミュニケーション支援に関する検討
キーワード:小学生, 心理教育, コミュニケーション支援
はじめに
“サクセスフル・セルフ”は,いじめやうつ等の心理・行動上の問題を予防し,心の健康を保持する可能性が示されている心理教育である(安藤,2012)。今回は,プログラム実践後の肯定的変化を継続するため,児童が学校で取組んだプログラムの内容を踏まえた親子で行うホームワークを作成し,高学年での実践可能性を検討することを目的とした。
方 法
対象:中国地方の公立A小学校5年生2学級児童48名(男子22名,女子26名)とその保護者48名である。
実施方法:“サクセスフル・セルフ”は,2013年11月から12月に,凡そ週1回,1時間(45分)で4レッスン,学級担任のサポートのもと養護教諭によって,学級単位で行われた。親子で行うホームワークは,“サクセスフル・セルフ”で学習したことをもとに,親子間コミュニケーションを図ることを目的に,レッスンの2回目終了後と4回目終了後の2回(1週間毎日)取組んだ。表1に5年生におけるレッスンのテーマ,ねらい,ホームワークの内容を示した。
評価:児童と保護者は同じワークシート内に1週間毎日,取組みを「よくできた◎」「できた○」「できなくて残念△」の3段階で自己評価し,さらに1週間の感想を記述した。
倫理的配慮:本取組みに関しては,保護者への理解と協力,実施校の管理者および学級担任,児童への理解と同意を得て行われた。
結果と考察
心理教育“サクセスフル・セルフ”の 1回目,2回目の各目標に対する児童と保護者の自己評価得点の平均は,いずれも中程度以上に目標を達成できたと評価していた(表2)。
感想については,KJ法にて内容分析を行った。児童では,「意欲の喚起」「コミュニケーション促進」等のカテゴリ(表3),保護者では「コミュニケーション促進」「成長への期待」等のカテゴリが生成された。
学校で取組む“サクセスフル・セルフ”にホームワークを取り入れることは,高学年の親子間コミュニケーション促進の支援となるだけでなく,親子のコミュニケーション促進の継続への意欲を高められることが示唆された。
【文 献】
安藤美華代.(2012).児童生徒のいじめ・うつを予防する心理教育〝サクセスフル・セルフ〞. 岡山大学出版会
“サクセスフル・セルフ”は,いじめやうつ等の心理・行動上の問題を予防し,心の健康を保持する可能性が示されている心理教育である(安藤,2012)。今回は,プログラム実践後の肯定的変化を継続するため,児童が学校で取組んだプログラムの内容を踏まえた親子で行うホームワークを作成し,高学年での実践可能性を検討することを目的とした。
方 法
対象:中国地方の公立A小学校5年生2学級児童48名(男子22名,女子26名)とその保護者48名である。
実施方法:“サクセスフル・セルフ”は,2013年11月から12月に,凡そ週1回,1時間(45分)で4レッスン,学級担任のサポートのもと養護教諭によって,学級単位で行われた。親子で行うホームワークは,“サクセスフル・セルフ”で学習したことをもとに,親子間コミュニケーションを図ることを目的に,レッスンの2回目終了後と4回目終了後の2回(1週間毎日)取組んだ。表1に5年生におけるレッスンのテーマ,ねらい,ホームワークの内容を示した。
評価:児童と保護者は同じワークシート内に1週間毎日,取組みを「よくできた◎」「できた○」「できなくて残念△」の3段階で自己評価し,さらに1週間の感想を記述した。
倫理的配慮:本取組みに関しては,保護者への理解と協力,実施校の管理者および学級担任,児童への理解と同意を得て行われた。
結果と考察
心理教育“サクセスフル・セルフ”の 1回目,2回目の各目標に対する児童と保護者の自己評価得点の平均は,いずれも中程度以上に目標を達成できたと評価していた(表2)。
感想については,KJ法にて内容分析を行った。児童では,「意欲の喚起」「コミュニケーション促進」等のカテゴリ(表3),保護者では「コミュニケーション促進」「成長への期待」等のカテゴリが生成された。
学校で取組む“サクセスフル・セルフ”にホームワークを取り入れることは,高学年の親子間コミュニケーション促進の支援となるだけでなく,親子のコミュニケーション促進の継続への意欲を高められることが示唆された。
【文 献】
安藤美華代.(2012).児童生徒のいじめ・うつを予防する心理教育〝サクセスフル・セルフ〞. 岡山大学出版会