The 57th meeting of the Japanese association of educational psychology

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ポスター発表

ポスター発表 PD

Thu. Aug 27, 2015 10:00 AM - 12:00 PM メインホールA (2階)

[PD021] 確かな学力を育む学びのユニバーサルデザイン(UDL)を参考にした授業改善

中学校国語科における若年層教員へのコンサルテーションの試行

内田慈子1, 納富恵子2 (1.福岡教育大学大学院, 2.福岡教育大学大学院)

Keywords:学びのユニバーサルデザイン(UDL), 中学校国語科, コンサルテーション

問題と目的
通常学級の学習面又は行動面で著しい困難のある児童生徒に対し,理解しやすいよう配慮した授業改善が求められている(文部科学省,2012)。本研究では学びのユニバーサルデザイン(UDL)による授業を含む中学校国語科授業の若年層教員へのコンサルテーションを行い,授業力の変化を,自己評価および他者評価により明らかにすることを目的とする。
方 法
研究期間 2014年5月~2015年2月(計26回)
対象とコンサルテーションの手続き
コンサルティは,教職2年目の20代男性中学校国語科講師。授業において,生徒の学習意欲と学業達成を高める授業作りを模索していた。対象学年は公立中学校第1学年(学級数2)。X組31名特別な教育的支援が必要な生徒4名,Y組32名特別な教育的支援が必要な生徒4名である。コンサルタントとして第1筆者(中学校国語科,教職経験18年目。大学院に長期派遣中)が週に1回程度,授業の空き時間や放課後(30分~2時間半)などに,コンサルテーションを実施した。内容をTable 1に示す。
評価の手続き
コンサルテーション終了後の3月に,コンサルテーション実施前の振り返りと,コンサルテーション実施後の振り返りを「授業についての自己チェックリスト」(齋藤・藤井,2008)を用いて行った。また,コンサルティと校長より,インタビュー形式でUDLガイドラインの視点で自己評価および他者評価を実施した。
結 果
若年層教員の授業改善の効果
自己チェックリストは全項目において得点の増加が認められた(Table 2)。また,校長からの評価においても授業作りの変化やICT活用の仕方,生徒作品の変化,授業に対する姿勢,子どもたちへの接し方の変化という視点で改善が評価された。
考 察
学習意欲向上と学業達成のための授業改善を望む若年層教員に,UDL授業を含む国語科授業についてコンサルテーションを行ったことにより,「多様性」を視野に入れた授業改善をすることができた。校長による客観的な評価からも,UDL授業の視点を含んだコンサルテーションの有効性が明らかになった。
引用・参考文献
UDL情報センター www.andante-nishiogi.com/udl/