[PD076] 特別支援教育に関する現状について(1)
現職教員の「個別の指導計画」に関する現状と課題
Keywords:特別支援教育, 個別の指導計画, 現職教員
[問題と目的]
文部科学省において,平成19年4月1日に出された「特別支援教育の推進について(通知)」の中で,「特別支援教育を行うための体制の整備及び必要な取組」の1つとして,「個別の指導計画」の作成が挙げられている。平成26年3月14日に示された「平成25年度特別支援教育体制整備状況調査」によると,「個別の指導計画」の作成状況をみると,作成する必要のある該当者がいない学校数を調査対象校数から引いた場合の作成率は,平成24年度69.0%,平成25年度70.5%であった。特に,小学校と中学校で作成率が高いことが示されている。しかしながら,作成率は高くなっているものの「個別の指導計画」が効果的に活用されているかどうかは明らかではない。
以上のことから,本研究では,現職教員を対象に「個別の指導計画」の作成体験から現状と課題について検討することを目的とする。
[方 法]
⑴調査対象者:本学において実施された2014年度更新講習必修講座受講者186名を調査対象者とした。男性は25名(13.4%)であり,女性は161名(86.6%)であった。30歳代は80名(43.0%)であり,40歳代は56名(30.1%)であり,50歳代50名(26.9%)であった。小学校教諭は,100名(53.8%)で最も多く,次に,就学前の幼稚園・保育園・子ども園勤務の教諭が53名(28.5%)で多く,その他が33名(17.7%)であった。養護教諭は,小学校,中学校,幼稚園・子ども園における勤務者等を合計すると17名(9.1%)であった。
⑵調査日:2014年8月2日に調査を実施した。
⑶調査項目:これまでの「個別の指導計画」の作成経験について回答を求めた。作成経験,作成するうえで,わからなかったことや,わかりにくかったこと(11項目について選択)に加えて,自由記述形式により「個別の指導計画」の作成する体制や過程に関する問題点や課題および「個別の指導計画」の内容に関する問題点や課題を尋ねた。
⑷調査手続き:講習時間後に,調査用紙に記入してもらい,記入後回収した。本調査の集計結果を研究成果として公表し,今後の更新講習の資料としても使用する旨説明を行った。
[結果と考察]
全体では,「個別の指導計画」を「作成したことがある」と回答した者は,87名(46.8%),「作成予定である」と回答した者は,6名(3.2%),「作成したことがない」と回答した者は,93名(50.0%)であった。半数の教員が作成したことがあるか作成予定であった。養護教諭の免許状を持つ17名中作成経験があったのは3名(17.6%)であった。「作成したことがある」と「作成予定である」と回答した93名について以下の項目について回答を求めた。第一に,「個別の指導計画」を作成するうえで,わからなかったことや,わかりにくかったことを11項目中から該当するものをすべて選択させた。その結果をTABLE 1に示した。最も多く選択された項目は,「11.発達障害のある子どもの知能検査結果の活用方法」の47名(50.5%)であった。次に,「10.発達障害のある子どもの知能検査結果の見方や理解」の41名(44.1%),「7.発達障害のある子どもの『個別の指導計画』の長期目標の立て方」の40名(43.0%)の2項目で40%以上の選択率であった。知能検査の結果の理解・活用と長期目標の立て方に困難さを抱えていた。
次に,自由記述形式により「個別の指導計画」を作成する体制や過程と,内容に関する問題点や課題について回答を求めた。体制や過程については72名(77.4%)が回答した。保護者との連携の困難さ,学期初めの4月か5月ごろに提出するために子どもの実態が把握できないこと等が挙げられていた。内容については43名(46.2%)が回答した。
どの程度まで記入すればよいのかわかりにくい等が挙げられていた。「個別の指導計画」に関する作成方法と活用方法に関する研修が各学校種で必要であると思われる。
文部科学省において,平成19年4月1日に出された「特別支援教育の推進について(通知)」の中で,「特別支援教育を行うための体制の整備及び必要な取組」の1つとして,「個別の指導計画」の作成が挙げられている。平成26年3月14日に示された「平成25年度特別支援教育体制整備状況調査」によると,「個別の指導計画」の作成状況をみると,作成する必要のある該当者がいない学校数を調査対象校数から引いた場合の作成率は,平成24年度69.0%,平成25年度70.5%であった。特に,小学校と中学校で作成率が高いことが示されている。しかしながら,作成率は高くなっているものの「個別の指導計画」が効果的に活用されているかどうかは明らかではない。
以上のことから,本研究では,現職教員を対象に「個別の指導計画」の作成体験から現状と課題について検討することを目的とする。
[方 法]
⑴調査対象者:本学において実施された2014年度更新講習必修講座受講者186名を調査対象者とした。男性は25名(13.4%)であり,女性は161名(86.6%)であった。30歳代は80名(43.0%)であり,40歳代は56名(30.1%)であり,50歳代50名(26.9%)であった。小学校教諭は,100名(53.8%)で最も多く,次に,就学前の幼稚園・保育園・子ども園勤務の教諭が53名(28.5%)で多く,その他が33名(17.7%)であった。養護教諭は,小学校,中学校,幼稚園・子ども園における勤務者等を合計すると17名(9.1%)であった。
⑵調査日:2014年8月2日に調査を実施した。
⑶調査項目:これまでの「個別の指導計画」の作成経験について回答を求めた。作成経験,作成するうえで,わからなかったことや,わかりにくかったこと(11項目について選択)に加えて,自由記述形式により「個別の指導計画」の作成する体制や過程に関する問題点や課題および「個別の指導計画」の内容に関する問題点や課題を尋ねた。
⑷調査手続き:講習時間後に,調査用紙に記入してもらい,記入後回収した。本調査の集計結果を研究成果として公表し,今後の更新講習の資料としても使用する旨説明を行った。
[結果と考察]
全体では,「個別の指導計画」を「作成したことがある」と回答した者は,87名(46.8%),「作成予定である」と回答した者は,6名(3.2%),「作成したことがない」と回答した者は,93名(50.0%)であった。半数の教員が作成したことがあるか作成予定であった。養護教諭の免許状を持つ17名中作成経験があったのは3名(17.6%)であった。「作成したことがある」と「作成予定である」と回答した93名について以下の項目について回答を求めた。第一に,「個別の指導計画」を作成するうえで,わからなかったことや,わかりにくかったことを11項目中から該当するものをすべて選択させた。その結果をTABLE 1に示した。最も多く選択された項目は,「11.発達障害のある子どもの知能検査結果の活用方法」の47名(50.5%)であった。次に,「10.発達障害のある子どもの知能検査結果の見方や理解」の41名(44.1%),「7.発達障害のある子どもの『個別の指導計画』の長期目標の立て方」の40名(43.0%)の2項目で40%以上の選択率であった。知能検査の結果の理解・活用と長期目標の立て方に困難さを抱えていた。
次に,自由記述形式により「個別の指導計画」を作成する体制や過程と,内容に関する問題点や課題について回答を求めた。体制や過程については72名(77.4%)が回答した。保護者との連携の困難さ,学期初めの4月か5月ごろに提出するために子どもの実態が把握できないこと等が挙げられていた。内容については43名(46.2%)が回答した。
どの程度まで記入すればよいのかわかりにくい等が挙げられていた。「個別の指導計画」に関する作成方法と活用方法に関する研修が各学校種で必要であると思われる。