[PE011] 体験学習プログラム効果測定尺度作成の試み
キーワード:体験学習, 尺度作成
問題と目的
過去の学習内容が生活の中で,実際に役立つという喜びや充実感を数多く味わうことによって,自己の可能性や能力に対する信頼感を高め,少々の困難にも自分で立ち向かっていくことができるのだという信念を育てる(安田,2000)とあるように直接体験は重要視されている。
他者との長時間における相互コミュニケーションや克服的で冒険的な活動を経験することで,子どもは「生きる力」が向上し,大脳活の抑制機能に発達が見られ,子どもの成長に多様な効果を及ぼすとした(瀧,平野,寺沢 2005)。
個々の力量を集団の力量に高め,相乗効果として生徒個々の力と集団の力を高めることを生徒自身が認識し,行動することを理解させることができれば生徒は大きく成長する(小野寺,2003)。
これらの先行研究からもわかるように,体験学習の導入は,児童,生徒の生きる力を高めることに効果があると言える。
そこで,本研究は,体験学習プログラムの導入が子どもの集団における協力や目標設定,挑戦する態度を測定する体験学習尺度を作成する。
研究1(予備調査)質問項目の作成
方法
A県の公立小学校5,6年生(男子33名,女子31名の計64名)に20XX年7月,グループワーク体験学習プログラムを実施し,自由記述で感想を集めた。
結果
自由記述で求めた感想を,大学院生,小学教諭,大学講師の3名で,KJ法を用いて整理し,「体験学習尺度」の質問項目を,17項目作成した。
研究2(本調査)
方法
A県の公立小学校5,6年生(男子160名,女子140名の計300名)に20XX年11月,予備調査で作成した質問項目に対し,5件法で回答を求めた。
結果と考察
「体験学習尺度」17項目に対して,主因子法,プロマックス回転による因子分析(Table1)を行い,「協力理解」「開示拒否」「失敗回避」「目標設定」の4因子を抽出した.α係数を求めたところ,0.52~0.71を示した.α係数の低い因子もあったが,本研究では重要な因子であったため,削除しなかった.本研究の結果,体験学習プログラム「協力理解」,「失敗回避」という他者との関わりに関する因子,「開示拒否」,「目標設定」といった,個人の内面に関する因子に分かれた。このことにより,体験学習プログラムは,個々の力,集団の力を伸ばす可能性があることが示唆された。
今後は,この「体験学習尺度」を用い,現在,教育現場で行われている様々な体験学習プログラムの効果測定を行っていきたい。
過去の学習内容が生活の中で,実際に役立つという喜びや充実感を数多く味わうことによって,自己の可能性や能力に対する信頼感を高め,少々の困難にも自分で立ち向かっていくことができるのだという信念を育てる(安田,2000)とあるように直接体験は重要視されている。
他者との長時間における相互コミュニケーションや克服的で冒険的な活動を経験することで,子どもは「生きる力」が向上し,大脳活の抑制機能に発達が見られ,子どもの成長に多様な効果を及ぼすとした(瀧,平野,寺沢 2005)。
個々の力量を集団の力量に高め,相乗効果として生徒個々の力と集団の力を高めることを生徒自身が認識し,行動することを理解させることができれば生徒は大きく成長する(小野寺,2003)。
これらの先行研究からもわかるように,体験学習の導入は,児童,生徒の生きる力を高めることに効果があると言える。
そこで,本研究は,体験学習プログラムの導入が子どもの集団における協力や目標設定,挑戦する態度を測定する体験学習尺度を作成する。
研究1(予備調査)質問項目の作成
方法
A県の公立小学校5,6年生(男子33名,女子31名の計64名)に20XX年7月,グループワーク体験学習プログラムを実施し,自由記述で感想を集めた。
結果
自由記述で求めた感想を,大学院生,小学教諭,大学講師の3名で,KJ法を用いて整理し,「体験学習尺度」の質問項目を,17項目作成した。
研究2(本調査)
方法
A県の公立小学校5,6年生(男子160名,女子140名の計300名)に20XX年11月,予備調査で作成した質問項目に対し,5件法で回答を求めた。
結果と考察
「体験学習尺度」17項目に対して,主因子法,プロマックス回転による因子分析(Table1)を行い,「協力理解」「開示拒否」「失敗回避」「目標設定」の4因子を抽出した.α係数を求めたところ,0.52~0.71を示した.α係数の低い因子もあったが,本研究では重要な因子であったため,削除しなかった.本研究の結果,体験学習プログラム「協力理解」,「失敗回避」という他者との関わりに関する因子,「開示拒否」,「目標設定」といった,個人の内面に関する因子に分かれた。このことにより,体験学習プログラムは,個々の力,集団の力を伸ばす可能性があることが示唆された。
今後は,この「体験学習尺度」を用い,現在,教育現場で行われている様々な体験学習プログラムの効果測定を行っていきたい。