The 57th meeting of the Japanese association of educational psychology

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ポスター発表

ポスター発表 PE

Thu. Aug 27, 2015 1:30 PM - 3:30 PM メインホールA (2階)

[PE052] 大学生のSNSにおける対人ストレス

社会的ネットワークとの関連

佐藤広英1, 矢島玲#2 (1.信州大学, 2.松本市役所)

Keywords:SNS, 対人ストレス

問題と目的
総務省(2013)によると,小学校高学年から25歳までのSNS利用者のうち,利用時に悩んだり,負担に感じたことがある者の割合は56.9%であるとされ,多くの者がSNS利用時にストレスを感じていることが報告されている。この現象は「SNS疲れ」という言葉でも表現される(c.f. 加藤,2013)。従来,ネット利用時のストレスに関する研究(河地・森脇,2012)はみられるが,SNS上のストレスに焦点を当てた研究はみられない。SNSは既存の関係維持や新しいつながりの構築に用いられることから,本研究では,対人関係に起因する対人ストレスに注目し,SNS上の対人ストレスの実態を探ることを目的とした。併せて,SNS上での社会的ネットワークが,SNS上の対人ストレスに及ぼす影響を検討した。
方 法
調査対象者 SNSを利用している大学生179名(男性94名,女性85名,年齢:M=19.40, SD=1.43)を対象とした。
調査内容 (a) SNS上の対人ストレス:面接調査により収集した対人ストレス場面を基に29項目を作成し,最近1ヶ月での経験頻度およびストレス強度を4件法で尋ねた。(b) 社会的ネットワーク:五十嵐(2002)を基に過去6ヶ月にSNS上で重要な話をした既知の友人数・未知の友人数を尋ねた。(c) その他:性別,SNS利用時間を尋ねた。また,妥当性検証のため,対人ストレスイベント尺度(橋本,1997)と日本語版GHQ28(中川・大坊,1985)を用いた。
結果と考察
SNSにおける対人ストレスの経験頻度に関する因子分析(重みなし最小二乗法,バリマックス回転)の結果,最終的に5因子20項目が抽出された(Table 1)。各因子を構成する項目の平均値を算出し,因子ごとの得点とした。SNSにおける対人ストレスの因子ごとの得点を従属変数,社会的ネットワーク量,性別,SNS利用時間を独立変数とする重回帰分析(強制投入法)を行った(Table 2)。結果は次の二点に整理される。第一に,日常でもSNSでも関係を持つ友人が多いほど,投稿状況や疎外状況でのストレス経験が多かった。第二に,SNSでのみ関係を持つ友人が多いほど,閲覧状況や悪口閲覧状況でのストレス経験が多かった。以上の結果から,SNS上で経験する対人ストレスは,SNS上での社会的ネットワークの質・量によって異なると考えられる。