日本教育心理学会第57回総会

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ポスター発表

ポスター発表 PF

2015年8月27日(木) 16:00 〜 18:00 メインホールA (2階)

[PF074] 子ども向け英語学習DSソフトに対する評価の検討

伴浩美1, 皆川順2 (1.長岡技術科学大学, 2.山陽学園短期大学)

キーワード:ニンテンドーDS, 英語学習, 評価

1.はじめに
2004年に任天堂より発売された携帯型ゲーム機Nintendo DSは,タッチスクリーン,音声認識などの斬新な操作方法を取り入れたものであり,任天堂が「所有者の生活を豊かにするマシン」を目指すと述べたように,単なるゲーム機であるにとどまらず,教育や教材にも活用されており,その成果も報告されている[1][2]。
近年,グローバル化が進むにつれ,英語コミュニケーション能力が益々重要視されてきている。2011年度から小学校5,6年において英語が必修化され,英語教育の早期化もどんどん進んでいると言える。
そういう状況の下,子ども向け英語学習DSソフトが種々発売されている。本研究では,DSソフトを幼児・児童教育における教材として導入,有効に活用していく可能性を探ることを目的とし,英語学習DSソフトについてどのような評価がなされているのか,検討を行った。
2.方法
今回,調査の対象とした試料は,子ども向け英語学習DSソフトA(発売日:2006年7月6日)~ソフトJ(発売日:2009年3月26日)(発売日の古い順)の10種類のソフトである。
それぞれの試料に対し,Amazon.co.jpに寄せられたカスタマーレヴューの「おすすめ度」とコメントについて調査を行った。コメントについては,ジャストシステム社のテキストマイニングソフトTRUSTIA/MiningAssistantを使用し,解析を行った。
3.結果と考察
まず,「おすすめ度」については1から5までの5段階で表され,5がおすすめ度が最も高い。各試料の「おすすめ度」について,その件数とおすすめ度の平均を表1に示す。
表より,DSソフトの平均値は2.667(ソフトJ)~4.290(ソフトC)となっている。10試料の平均値の平均は3.454である。平均より低いものは3試料で,7試料が平均3.5以上と,今回調査を行ったソフトが全体的に高い評価を得ていることが明らかとなった。
次に,コメントの解析結果の一例として,最もコメント数が多いソフトCについて,名詞句と形容詞句,名詞句と動詞句の係り受けのそれぞれ上位15位までの結果を表2に示す。
名詞句と形容詞句の係り受け関係を見ると,ソフトCは,「操作」が「簡単」で,「ソフト」・「発音」・「キャラクター」などが「よい」ため,「子供」が「導入」として「英語」を「繰り返し」て「勉強」できる「楽しい」ものであることが分かる。一方,名詞句と動詞句の係り受け関係からは,ソフトCでは「書く」「練習」を通じて,「アルファベット」・「単語」・「英語」を「覚える」ことができる点が評価されていることが窺われる。
4.まとめ
子ども向け英語学習DSソフトについてどのような評価がなされているのか,カスタマーレヴューについて検討を行った。今後は,子どもたちにソフトを使用してもらい,その使用感について対面調査を行う予定である。
[参考文献]
[1] 「2007年10月26日(金) 経営方針説明会・中間決算説明会 任天堂株式会社 社長 岩田聡 講演内容全文」<http://www.nintendo.co.jp/ir/library/events/071026/07.html>
[2] 「産経新聞 ENAK」<http://www.sankei.co.jp/enak/2007/may/kiji/21life_nintendo.html>