[PH039] 子ども用楽観・悲観性尺度の作成
楽観性,悲観性を2次元的に捉えて
Keywords:楽観性, 悲観性, 楽観・悲観性尺度
“ポジティブな結果を期待する傾向(Scheier & Carver, 1985)”と定義される楽観性は,適応や精神的健康のみならず,身体的健康にも関連していることが示されている。レジリエンスの一つとして楽観性が取りあげられることも多く(石毛・無藤,2005),楽観性の役割や機能に注目が集まっている。
ところで,近年は楽観性と悲観性を2次元に捉えて研究がされており(Robinson-Whelen et al., 1997),わが国おいて,楽観性と悲観性を別々に測定できる“楽観・悲観性尺度”が開発されている(外山,2013)。本研究では,楽観性と悲観性を別々に測定できる子ども用の楽観・悲観性尺度を作成することを目的とする。
【方 法】
被調査者 小学校4~6年生381名(男児206名,女子175名)。4ヵ月後の再テストにも参加してもらった。
質問紙 楽観・悲観性尺度(原案):楽観性5項目,悲観性5項目から成る尺度を使用した。4段階評定で回答を求めた。
【結 果】
項目の偏向状況を算出したところ,1つの選択肢に70%以上の被調査者が回答した項目はなかった。そこで,全10項目に対して最尤法による因子分析を行った。固有値の変化ならびに因子の解釈可能性から2因子構造が妥当であると判断した。そこで再度2因子を仮定して,最尤法,Promax回転による因子分析を行った。その結果,すべての項目において1つの因子のみに.40以上の因子負荷量を示した(Table1)。因子Ⅰは楽観性の項目が,因子Ⅱは悲観性の項目が高い負荷量を示したことより,本尺度の因子的妥当性が認められたといえる。回転前の2因子10項目の全分散を説明する割合は,58.36%で,因子間相関は-.67であった。
各因子に高い負荷量を示す項目(Table 1の枠で囲まれた項目)で下位尺度を構成した。尺度の内的一貫性を検討するため,Cronbachのα係数を算出したところ,楽観性尺度で.86,悲観性尺度で.79と高く,満足し得る内的一貫性が認められた。また,時間的安定性(テスト・再テスト間の相関係数)は,楽観性尺度で.51(p<.01),悲観性尺度で.47(p<.01)であった。
ところで,近年は楽観性と悲観性を2次元に捉えて研究がされており(Robinson-Whelen et al., 1997),わが国おいて,楽観性と悲観性を別々に測定できる“楽観・悲観性尺度”が開発されている(外山,2013)。本研究では,楽観性と悲観性を別々に測定できる子ども用の楽観・悲観性尺度を作成することを目的とする。
【方 法】
被調査者 小学校4~6年生381名(男児206名,女子175名)。4ヵ月後の再テストにも参加してもらった。
質問紙 楽観・悲観性尺度(原案):楽観性5項目,悲観性5項目から成る尺度を使用した。4段階評定で回答を求めた。
【結 果】
項目の偏向状況を算出したところ,1つの選択肢に70%以上の被調査者が回答した項目はなかった。そこで,全10項目に対して最尤法による因子分析を行った。固有値の変化ならびに因子の解釈可能性から2因子構造が妥当であると判断した。そこで再度2因子を仮定して,最尤法,Promax回転による因子分析を行った。その結果,すべての項目において1つの因子のみに.40以上の因子負荷量を示した(Table1)。因子Ⅰは楽観性の項目が,因子Ⅱは悲観性の項目が高い負荷量を示したことより,本尺度の因子的妥当性が認められたといえる。回転前の2因子10項目の全分散を説明する割合は,58.36%で,因子間相関は-.67であった。
各因子に高い負荷量を示す項目(Table 1の枠で囲まれた項目)で下位尺度を構成した。尺度の内的一貫性を検討するため,Cronbachのα係数を算出したところ,楽観性尺度で.86,悲観性尺度で.79と高く,満足し得る内的一貫性が認められた。また,時間的安定性(テスト・再テスト間の相関係数)は,楽観性尺度で.51(p<.01),悲観性尺度で.47(p<.01)であった。