[PH065] ガールスカウト経験のある女子の自己肯定感・活動スキルの検討
経験年数差と学年差の視点から
Keywords:ガールスカウト, 自己肯定感, 活動スキル
【問題と目的】
思春期・青年期の自己肯定感の重要性はこれまで多くの研究で指摘され,小学校高学年以降急激に低下し,高校生から大学生にかけて上昇する発達的変化が示されている(久芳ら,2007など)。
片岡ら(2011)は,中・高校生女子を対象とし,ガールスカウト(GS)活動経験がある群の方が,ない群に比べて有意に自己肯定感が高いことを明らかにしている。
本研究では,GSに所属している小学校4年生~社会人の女子を対象とし,自己肯定感とガールスカウト活動スキルについて,GS経験年数差と学年差を検討することを目的とする。
【方 法】
対 象:全国の GSに所属している女子計1020名(小学4年生~社会人)。
手続き:2012年7月~2014年12月に以下の尺度からなる質問紙を実施し,学年とGS経験年数の記入を求めた。①「自己肯定感尺度」(8項目),②「ガールスカウト活動スキル尺度」(15項目)4件法。
【結果と考察】
GSの経験年数について学年ごとに平均値を算出し,上下0.50SDの幅を基準としてGS経験年数(GS歴)の短群,中群,長群の3群に分割した。
上記の2つの尺度について,因子分析を行なった結果,「自己肯定感尺度」は1因子,「ガールスカウト活動スキル尺度」は12項目,3因子(「リーダーシップ」5項目「自主性・責任感」4項目「サポート感・対処力」3項目)が抽出された。
各尺度のGS歴群差・学年差を検討するために,下位尺度得点を従属変数として二要因分散分析,および多重比較を行った(Table 1~2)。
自己肯定感は,GS経験のない女子と比して高いことが想定されているものの,思春期以降低下し,大学生にかけて上昇する発達的変化そのものについては同じ様相を示すことがわかった。また,「自主性・責任感」においても,同様の変化が確認された。一方,「リーダーシップ」と「サポート感・対処力」においては,自己評価が下がるとされる思春期以降も低下がみられなかった。このことは特筆すべき点である。
また,本研究において経験年数による相違が認められなかったことには,一定以上の年数を経験し,現在も継続している者が対象となっていることが影響していると推察される。今後は他の視点も含めて検討し,支援に生かすことが必要である。
思春期・青年期の自己肯定感の重要性はこれまで多くの研究で指摘され,小学校高学年以降急激に低下し,高校生から大学生にかけて上昇する発達的変化が示されている(久芳ら,2007など)。
片岡ら(2011)は,中・高校生女子を対象とし,ガールスカウト(GS)活動経験がある群の方が,ない群に比べて有意に自己肯定感が高いことを明らかにしている。
本研究では,GSに所属している小学校4年生~社会人の女子を対象とし,自己肯定感とガールスカウト活動スキルについて,GS経験年数差と学年差を検討することを目的とする。
【方 法】
対 象:全国の GSに所属している女子計1020名(小学4年生~社会人)。
手続き:2012年7月~2014年12月に以下の尺度からなる質問紙を実施し,学年とGS経験年数の記入を求めた。①「自己肯定感尺度」(8項目),②「ガールスカウト活動スキル尺度」(15項目)4件法。
【結果と考察】
GSの経験年数について学年ごとに平均値を算出し,上下0.50SDの幅を基準としてGS経験年数(GS歴)の短群,中群,長群の3群に分割した。
上記の2つの尺度について,因子分析を行なった結果,「自己肯定感尺度」は1因子,「ガールスカウト活動スキル尺度」は12項目,3因子(「リーダーシップ」5項目「自主性・責任感」4項目「サポート感・対処力」3項目)が抽出された。
各尺度のGS歴群差・学年差を検討するために,下位尺度得点を従属変数として二要因分散分析,および多重比較を行った(Table 1~2)。
自己肯定感は,GS経験のない女子と比して高いことが想定されているものの,思春期以降低下し,大学生にかけて上昇する発達的変化そのものについては同じ様相を示すことがわかった。また,「自主性・責任感」においても,同様の変化が確認された。一方,「リーダーシップ」と「サポート感・対処力」においては,自己評価が下がるとされる思春期以降も低下がみられなかった。このことは特筆すべき点である。
また,本研究において経験年数による相違が認められなかったことには,一定以上の年数を経験し,現在も継続している者が対象となっていることが影響していると推察される。今後は他の視点も含めて検討し,支援に生かすことが必要である。