The 57th meeting of the Japanese association of educational psychology

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ポスター発表

ポスター発表 PH

Fri. Aug 28, 2015 1:30 PM - 3:30 PM メインホールA (2階)

[PH069] 大学生のセルフトークと落ち込みとの関連

鈴木由美 (聖徳大学)

Keywords:セルフトーク, 大学生, 落ち込み

セルフトークとは,感情や欲求,思考,行動の引き金として,自分の中に生まれる「言葉」と言われている。人が喜ぶとき・悲しむとき・そして何らかの欲求を持つ前には,引き金となるセルフトークが存在している(鈴木,2014)。セルフトークには2種類あり,動機づけセルフトークと教示セルフトークである。動機づけセルフトークとは,「さあやろう」「できる」「大丈夫」でポジティブな感情を生起することが目的となる言葉である。教示セルフトークは「ボールを見て」「腕を高く」「もっと押して」など動作の感覚の教示となるとされている。これまでの研究ではそれぞれのスポーツで異なる効果をもたらすことが明らかになっている(Hatzigeorgiadis, 2011)。セルフトークとスポーツの研究は多数あり,今川・佐久間(2013)はアイスホッケー競技を対象にしたセルフトークの研究を行っており,「なかなか集中できない」などのネガティブなセルフトークの使用頻度において,パフォーマンスの低い選手のほうが,高い選手より有意に頻度が高いという結果を明らかにした。
日常生活では,セリフトークをセルフトークA(automatic),セルフトークB(bear)と分類をしている。セルフトークAは「感情」を呼び起こし「反応」として行動を導くもので,自動的に「生まれる」ものである。さらにセルフトークAは「ポジティブな感情・反応を導くもの」と「ネガティブ感情・反応を導くもの」と分けられる。これに対してセルフトークBは,「理性」を呼び起こし,対応として行動を導き,自ら「生み出す」ものである。ネガティブなセルフトークAのネガティブな感情・反応が少なければ少ないほど落ち込まないと鈴木(2014)は述べてる。本研究の目的は大学生が学校生活で落ち込む際にセルフトークを発しているのか。またセルフトークを発しているならば,セルフトークAのネガティブな言葉を心の中で発しているのかを明らかにしたい。
方 法
調査対象 A県 公立大学1年 89名
調査時期 2014年12月
調査内容 ①ここ3か月ぐらいに落ちこんだ事の有無について。②落ち込んだ人はその時,セルフトーク(自分の心の中で自分に何かを語りかける)をしていたか,していた人はその内容について,自由記述で回答を求めた。
結果・考察
①ここ3か月ぐらいに落ち込んだことがあったかどうかは,89名中74名の83.1%であった。
②落ち込んだ時に,自分に何かを語りかけていたかどうかは,74名中52名の70.3%であった
52名のセルフトークの内容分類を行った。
落ち込んだ際にセルフトークを7割の学生行っていた。セルフトークの内容は53人すべてがネガティブなものだった。自分の中で,自分は勉強が足りない・どうして早く起きられないのかと,自分自身に問いかけており,内容で他者批判になっていたのは1名のみであった。
学校生活においてセルトークの中でも,ネガティブなセルフトークを自分に語り,落ち込んでいることが明らかになった。