The 57th meeting of the Japanese association of educational psychology

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ポスター発表

ポスター発表 PA

Wed. Aug 26, 2015 10:00 AM - 12:00 PM メインホールA (2階)

[PH077] 精神的困難状態からの回復と友達の支援

山口孔丹子1, 菅野純2 (1.四国学院大学, 2.早稲田大学)

Keywords:青年期危機, 友達

目 的
精神的安定に欠かせない要因を調べる。また,青年がどのような精神的につらい体験をしているかという精神的困難状態の内容と回復に必要な出来事を調査する。考察では,友達の支援について検討する。
方 法
対象者:18歳~41歳の420名(男性144名,女性273名,未記入3名)(M=20.53歳,SD=2.52),調査材料:先行研究をふまえて作成した質問紙 ,統計解析ソフト:Excel,SPSSver.12.0,分析方法:多肢選択式質問は集計を行った。自由記述はKJ法により分類した。
結 果
考 察
1.精神的安定維持に欠かせない要因
Table 2より睡眠は,心身の回復,気分の鎮静効果があると認識していることが推察された。また睡眠不足による気分・行動・思考へのネガティブな影響や心身疲労回復の阻害があると意識していることが窺われた。
仲の良い友達と会話をする,一緒にいるなどの交流を通して,精神的安定を得ていることが考えられた。友達を通して楽しさを体験し,友達から元気をうけていると感じていることが推察された。
一人の時間を過ごすことで,気持ちが落ち着くことが考えられた。「自分を客観的に見つめ直したり,考えを整理される時間が必要で,他人とはそのとき向き合いたくないから」との記述があった。一人の時間に自分を客観的に見つめる時間をもつことが精神的安定に必要であることが示唆された。
2.精神的困難状態からの回復のために必要な要因
Table 3精神的につらかったときに助けられたこととして,仲の良い友達を420名中291名が選択した。10位までの項目に仲の良い友達,母,父などがあることから精神的困難状態に人とのかかわりを求める傾向があることが推察された。
Table 1 精神的安定に欠かせないもとTable 3 精神的につらかった時に助けられたことを比較するとTable 3では,仲の良い友達が1位,一人の時間3位であった。精神的困難状況から回復するために第三者の助けを求める傾向があることが示唆された。
3.精神的困難状態からの回復と友達の支援
Table 4精神的につらかった体験より,上位3位は「親しい人の死」「親・家族の不仲」「失恋」でった。それぞれの体験について,回復に必要な出来事の1位が「友達」であった。
友達の支援内容は「親しい人の死」では,話しを聴いてくれる,励ましてくれる,楽しませてくれる,理解してくれるであった。「親・家族の不仲」では,話しを聴いてくれる,話したくないことは無理に聞き出そうとせず一緒にいてくれる,泊まりにおいでなど優しい言葉をかけてくれるであった。「失恋」では, 話しを聞いてくれる,一緒にいてくれる,遊ぶなどであった。つらいときに, 話しを聴いてもらう,一緒にいてもらうなどの友達の支援を受けていることが推察された。