[PC24] 私たちは,どのように折り紙を折っているのか?(16)
折り紙未経験者の高齢者の事例
キーワード:「折り」イメージ, イメージ生成, 「折り」経験
本研究の目的
折り紙の経験がほとんどない高齢者を対象にし,折り図を見て折り紙をおるプロセスを分析することにより,「折り」にイメージをどのように生成していのか,生成を要因について検討することが目的である。「折り」の性質は,平面的折りと立体的折りに大別できる。立体的折りのほうが難易度は高い。本研究では,平面的折だけで行える課題と,立体的折りが含まれた課題を設定した。
方 法
調査協力者:男性1名,65歳。
課題:以下の4課題を行った。
課題①:飛行機(平面的折のみ)。
課題②:鳥(変面的折のみであるが,①よりも工程が多い)。
課題③:ペンギン(平面的折りと立体的折り)。
課題④:鶴(平面的折りと立体的折り)
課題①~③は,「SPIEL UND SPASS MIT ORIGAMI, 1993, CHRISTPHORUS HOBBY & WERKEN」に掲載されている折り図を使用した。これらの折り図には,ほとんど言葉による説明はない。課題④は,http//www.google.co.jp/imagres?imgurl://w01.tp1.jpの折り図を使用した。これは,主に立体的折りの箇所に短い説明がある。
手続き:折り図を示し,この通りに折るように教示した。協力者がエラーを繰り返した時には,なぜ困っているのか訪ね,そのままでは遂行が困難だと判断される時には,「先の形になるように考えてください」と教示した。折っている様子はでデジタルビデオカメラで記録した。
結 果
課題①:飛行機
折り図に書かれている順番通りにスムース完成させることができた。順番通りに,機械的に折っていったと報告された。
課題②:鳥
折り図に書かれている順番通りにおっていったが,完成した形が少し異なっていた。折り図に掲載されている完成写真と自身が折ったものとの同じかどうか確認を求めたところ,気がつかなかったので,折り方のエラーがあった箇所まで完成物を広げて,折り図とどこが異なるかたずねた。折り方が異なるところに気づき折り直し完成させた。
課題③:ペンギン
平面的折りの箇所はスムースに折ることができたが,なかわり折り(立体的折り)箇所で考え込んだ。その後,なかわりおりに成功し,ペンギンを完成させた。何を考えていたのか,どんなことに困っていたのか尋ねたところ,「折り図や写真と同じようにするには,どうしたら良いかわからず,まず足の部分は,立つように内側に紙を折り込んだ,頭の部分は下を向くように下に紙を折り込んだ」と説明された。
課題④:鶴
平面的な折りの部分はスムースにおることができたが,鶴は立体的な折りが多い。立体的な折りの箇所ではすべて困難を示した。困難を示した箇所で,質問をしたところ,「説明の意味が分からない」とのことだったので,説明は気にしないように教示した。また,その時点での折りだけを考えているとのことだったので,次の形にするためにはどうおるか考えるように教示した。完成後,「頭で考えて,やってみて,うまくいかなかったらまた考えると折れた」と語られた。
考 察
報告されたことから,順番に機械的に折るのではなく次の形にするにはどうするか考えることは,立体的折りのイメージ生成には有効であり,そのためには,実際に折るという経験を重ねることが重要であることが示唆された。実際に折る経験を重ねることが「折り」のイメージ生成が大切だといえる。
折り紙の経験がほとんどない高齢者を対象にし,折り図を見て折り紙をおるプロセスを分析することにより,「折り」にイメージをどのように生成していのか,生成を要因について検討することが目的である。「折り」の性質は,平面的折りと立体的折りに大別できる。立体的折りのほうが難易度は高い。本研究では,平面的折だけで行える課題と,立体的折りが含まれた課題を設定した。
方 法
調査協力者:男性1名,65歳。
課題:以下の4課題を行った。
課題①:飛行機(平面的折のみ)。
課題②:鳥(変面的折のみであるが,①よりも工程が多い)。
課題③:ペンギン(平面的折りと立体的折り)。
課題④:鶴(平面的折りと立体的折り)
課題①~③は,「SPIEL UND SPASS MIT ORIGAMI, 1993, CHRISTPHORUS HOBBY & WERKEN」に掲載されている折り図を使用した。これらの折り図には,ほとんど言葉による説明はない。課題④は,http//www.google.co.jp/imagres?imgurl://w01.tp1.jpの折り図を使用した。これは,主に立体的折りの箇所に短い説明がある。
手続き:折り図を示し,この通りに折るように教示した。協力者がエラーを繰り返した時には,なぜ困っているのか訪ね,そのままでは遂行が困難だと判断される時には,「先の形になるように考えてください」と教示した。折っている様子はでデジタルビデオカメラで記録した。
結 果
課題①:飛行機
折り図に書かれている順番通りにスムース完成させることができた。順番通りに,機械的に折っていったと報告された。
課題②:鳥
折り図に書かれている順番通りにおっていったが,完成した形が少し異なっていた。折り図に掲載されている完成写真と自身が折ったものとの同じかどうか確認を求めたところ,気がつかなかったので,折り方のエラーがあった箇所まで完成物を広げて,折り図とどこが異なるかたずねた。折り方が異なるところに気づき折り直し完成させた。
課題③:ペンギン
平面的折りの箇所はスムースに折ることができたが,なかわり折り(立体的折り)箇所で考え込んだ。その後,なかわりおりに成功し,ペンギンを完成させた。何を考えていたのか,どんなことに困っていたのか尋ねたところ,「折り図や写真と同じようにするには,どうしたら良いかわからず,まず足の部分は,立つように内側に紙を折り込んだ,頭の部分は下を向くように下に紙を折り込んだ」と説明された。
課題④:鶴
平面的な折りの部分はスムースにおることができたが,鶴は立体的な折りが多い。立体的な折りの箇所ではすべて困難を示した。困難を示した箇所で,質問をしたところ,「説明の意味が分からない」とのことだったので,説明は気にしないように教示した。また,その時点での折りだけを考えているとのことだったので,次の形にするためにはどうおるか考えるように教示した。完成後,「頭で考えて,やってみて,うまくいかなかったらまた考えると折れた」と語られた。
考 察
報告されたことから,順番に機械的に折るのではなく次の形にするにはどうするか考えることは,立体的折りのイメージ生成には有効であり,そのためには,実際に折るという経験を重ねることが重要であることが示唆された。実際に折る経験を重ねることが「折り」のイメージ生成が大切だといえる。