[PC44] 看護師国家試験に向けた効果的な学習方法
KH-Coderによる看護学生の自由回答文の解釈
キーワード:看護師国家試験, 看護学生
目 的
看護師を生涯の仕事として考えている看護学生にとって看護師国家試験合格は必須条件である。近年の看護師国家試験の傾向は,単に暗記をするだけのものではなく,解剖生理を正しく理解したうえで看護のエビデンスに基づく学習や状況からアセスメントする能力が求められている。入学後,基礎看護学を学び臨地実習を経て,看護師国家試験合格までの道のりは長く,受験前には不安やストレスにより体調を崩す学生も少なくない。大学教育全体の大きな課題として,学習意欲の低下が進行しているといわれているが(文部科学省,2011),社会情勢の変化に伴って教育内容を工夫していく必要がある。本調査では,看護師国家試験が終了した学生に質問紙調査をすることで,看護師国家試験に向けた効果的な学習方法の示唆を得ることを目的としている。
研究方法
〈対象者〉A短期大学看護師国家試験が終了し同意が得られた学生25名
〈研究方法〉平成28年3月に対象者に対し,無記名の自記式質問紙調査を行い,回収箱を設置した。調査内容は,看護師国家試験学習にて効果的だったと思った学習方法について自由記述してもらい,内容の解析にはフリーソフトウェアKH-Coderを使用した。分析に直接関係のない助詞や句読点を削除し,意味が共通する単語に置き換え,データクリーニングした。調査結果の中で頻回に出現した上位100語を頻出語とした。頻出語の出現パターンの語の似通った語の組み合わせを検討するために出現回数10回以上のものうち,名詞,サ変名詞,形容動詞,ナイ形容,副詞可能,タグ,名詞Cを用いて,Ward法による階層的Cluster分析を行った。
〈倫理的配慮〉大阪信愛女学院短期大学生命倫理委員会の承認を得た後,対象者には文書と口頭で研究の趣旨を説明し,研究参加に対して自由意思の尊重と匿名性の厳守を保障すること,また研究及び学会発表後は全ての情報を破棄することを説明した。
結果・考察
総抽出語は7499語であり,頻回に出現した上位100語を表1に示す。看護学生が「国家試験に向けた効果的な学習方法」で上位10位以内の頻出語は「勉強」を筆頭に「思う」「予備校」「問題」「自分」「友達」「実習」「国家試験」「テキスト」「先生」であった。Cluster分析の結果は5Clusterが妥当であると判断された(表2)。
1 Clusterは,「方法」「大切」「講義」などの指導方法に関する内容であった。2 Clusterは国家試験に向けての学習方法であり,実習中より毎日国家試験の学習をすることの重要性とモチベーションを上げていくことが必要であると考えられる。
3 Clusterは,「暗記」「テキスト」「学校」などの基礎学習に関することであり,4 Clusterは「自分「友達」「予備校」など国家試験学習を友達と一緒にすることで学習効果が上がることが推察される。
5 Clusterは理解するためには時間がかかると学生は認識している。これらの結果より,集中できる環境を整え,毎日国家試験学習に取り組み,友達と支え合いながら勉強することが効果的であると考える。
看護師を生涯の仕事として考えている看護学生にとって看護師国家試験合格は必須条件である。近年の看護師国家試験の傾向は,単に暗記をするだけのものではなく,解剖生理を正しく理解したうえで看護のエビデンスに基づく学習や状況からアセスメントする能力が求められている。入学後,基礎看護学を学び臨地実習を経て,看護師国家試験合格までの道のりは長く,受験前には不安やストレスにより体調を崩す学生も少なくない。大学教育全体の大きな課題として,学習意欲の低下が進行しているといわれているが(文部科学省,2011),社会情勢の変化に伴って教育内容を工夫していく必要がある。本調査では,看護師国家試験が終了した学生に質問紙調査をすることで,看護師国家試験に向けた効果的な学習方法の示唆を得ることを目的としている。
研究方法
〈対象者〉A短期大学看護師国家試験が終了し同意が得られた学生25名
〈研究方法〉平成28年3月に対象者に対し,無記名の自記式質問紙調査を行い,回収箱を設置した。調査内容は,看護師国家試験学習にて効果的だったと思った学習方法について自由記述してもらい,内容の解析にはフリーソフトウェアKH-Coderを使用した。分析に直接関係のない助詞や句読点を削除し,意味が共通する単語に置き換え,データクリーニングした。調査結果の中で頻回に出現した上位100語を頻出語とした。頻出語の出現パターンの語の似通った語の組み合わせを検討するために出現回数10回以上のものうち,名詞,サ変名詞,形容動詞,ナイ形容,副詞可能,タグ,名詞Cを用いて,Ward法による階層的Cluster分析を行った。
〈倫理的配慮〉大阪信愛女学院短期大学生命倫理委員会の承認を得た後,対象者には文書と口頭で研究の趣旨を説明し,研究参加に対して自由意思の尊重と匿名性の厳守を保障すること,また研究及び学会発表後は全ての情報を破棄することを説明した。
結果・考察
総抽出語は7499語であり,頻回に出現した上位100語を表1に示す。看護学生が「国家試験に向けた効果的な学習方法」で上位10位以内の頻出語は「勉強」を筆頭に「思う」「予備校」「問題」「自分」「友達」「実習」「国家試験」「テキスト」「先生」であった。Cluster分析の結果は5Clusterが妥当であると判断された(表2)。
1 Clusterは,「方法」「大切」「講義」などの指導方法に関する内容であった。2 Clusterは国家試験に向けての学習方法であり,実習中より毎日国家試験の学習をすることの重要性とモチベーションを上げていくことが必要であると考えられる。
3 Clusterは,「暗記」「テキスト」「学校」などの基礎学習に関することであり,4 Clusterは「自分「友達」「予備校」など国家試験学習を友達と一緒にすることで学習効果が上がることが推察される。
5 Clusterは理解するためには時間がかかると学生は認識している。これらの結果より,集中できる環境を整え,毎日国家試験学習に取り組み,友達と支え合いながら勉強することが効果的であると考える。