The 58th meeting of the Japanese association of educational psychology

Presentation information

ポスター発表 PC(01-64)

ポスター発表 PC(01-64)

Sat. Oct 8, 2016 3:30 PM - 5:30 PM 展示場 (1階展示場)

[PC45] 臨地実習における看護学生の責任ある行動の困難感

KH-Coderを用いた自由回答文の分析

石井あゆみ1, 藤田和加子2, 徳珍温子3 (1.大阪信愛女学院短期大学, 2.大阪信愛女学院短期大学, 3.大阪信愛女学院短期大学)

Keywords:臨地実習, 看護学生, 困難感

問題と目的
 看護基礎教育において病院や施設などで行う臨地実習では,患者はもちろん,臨床指導者や施設の職員の方とコミュニケーションをとりながら行い,看護学生として責任ある行動を求められる。臨地実習は看護学生にとって,ストレスではあるが自己の成長の機会でもある。A短期大学では臨地実習前に看護学生として責任ある行動についてオリエンテーションを行っている。そこで言われた注意事項を実行する中で困難に感じていることは何かを明らかにし,今後の学生指導に役立てることを目的とする。
方   法
 対象者)A短期大学3回生の同意が得られた20名の看護学生
 (調査方法) 全ての臨地実習が終了した平成26年12月に無記名で,「責任のある行動(報告連絡相談,健康管理,言葉遣い,時間管理など)を実践できましたか。実施するのか難しかった項目とその理由について教えてください。」についてA4用紙に自由記述してもらった。
 (分析方法)自由記述の中で実習指導者,指導者等意味が同じと思われるものは,語を統一した後にフリーソフトウエアKH-Coderを用い,頻回に出現した語を頻出語としてリスト化し,このリストを用いて階層的クラスター分析を行った。
 (倫理的配慮)研究参加を対象者の自由意思に基づくものであり,随時同意を撤回することが可能であること,その場合でも何ら不利益を被ることはないこと個人情報は個人が特定されないように守秘し,研究及び学会発表後はすべての情報を破棄することを口頭と書面にて説明した。
結果と考察
 総抽出後は836語(使用語数436語)であった。出現回数が3回以上の語をTable 1に示す。次に階層的クラスター分析(Ward法)を行ったところ6つのクラスターに分類された。結果をTable 2に示す。結果より,看護実践を行う際には対象者とのコミュニケーションに戸惑い(Cluster1),意見を述べるときは5W1Hを意識し(Cluster2),行動の目的を明確に伝える(Cluster5)。何を報告連絡相談すればよいのか迷う(Cluster3)。学生の責任を自覚し責任を果たそうと(Cluster4),情報伝達のための話し合いを持とうとするがうまくいかず,自己の管理が難しいと感じている姿が推察される。報告連絡相談が大切であると常に注意を受けており,実習前にも具体的な例を挙げて説明はしているが,実際に報告連絡相談を要する場面では判断に迷っていることから,報告連絡相談して「良い内容」「良いタイミング」等を指導者や教員が伝えることで,学生自身の学びになり判断に迷うことが減少していくと考える。