ポスター発表 PD(01-64)

[PD64] 大学生の精神的安定維持に欠かせない要因

^○山口孔丹子¹, 菅野純² (1.四国学院大学, 2.早稲田大学)

キーワード：精神的安定, 大学生

目　　　的
　青年が精神的安定のために欠かせないものをもっているか，それはどのようなものか，なぜ欠かせないのかを調査する。考察では精神的安定維持に欠かせない理由を検討する。
方　　　法
対象者：大学生94名(男性51名，女性43名M＝19.70歳，SD=1.31）　調査材料：先行研究をもとにして作成した質問紙。質問では，精神的安定維持に最も欠かせないもの，および欠かせない理由を記述していただいた。分析方法：SPSSによる統計解析，自由記述はKJ法による分類を行なった。
結　　　果
考　　　察
１．精神的安定維持に欠かせない要因
　精神的安定維持に最も欠かせないものとして，睡眠，人，一人の時間，音楽，運動が上位５位をしめた。この他に，食事，趣味，ペット，パソコン，ゲーム，夢，目標などかあった。
　自分の生活時間で精神的安定維持に重要な部分をしめているものを挙げていることが考えられた。
２．精神的安定維持に欠かせない理由
①　欠かせない理由「睡眠」
　「不十分だとイライラする」「不十分だと集中力がない」のように，睡眠を十分にとらなかったときの経験をもとにした回答があった。身体的な不調と心の安定に関連があることを実感していることが推察された。
　「疲れを取る」は体調不良や活動低下状態から改善した経験をもとにした回答であった。心が不安定になったときの改善，予防方法として睡眠を用いていることが推察された。
②　欠かせない理由「人」
　仲のいい友達と回答した方々は，「落ち着く」「助けてもらっている」を挙げていた。“友人がいることで心の励みにもなり嫌なことがあっても頑張れる”との記述があった。学生時代は嫌なことや辛いことをさけて通るより，それに挑み，立ち向かう場面が増えてくる。仲のいい友達は，そのような困難場面での慰めやはげましを与えてくれる存在だと認めていることが推察された。
　母と回答した方々は「大切にしてくれる」「一緒にいる」を挙げていた。母との具体的な思い出は記述にはなかった。“生まれたときから今ままで，これからも,ずっと大切にしてくれた”のように一緒にいた時間を通して，自分の存在が認められていると感じ，安心感を得ていることが考えられた。
③　欠かせない理由「一人の時間」
　一人の時間をもつことの理由として，「考える」の他に「気を遣わないでいい」「人といると疲れる」
があった。気遣いの多い生活を送っていることが推察された。