[PG10] 大学生を対象とした出身高校の男女比率の違いとジェンダー・スキーマとの関連の検討
性差観スケール,集団同一視尺度,共同性・作動性尺度を用いて
キーワード:ジェンダー・ステレオタイプ, 男女共学, 男女別学
問 題
本研究では,伊藤(1997)の研究に基づいて,男女共学出身者の方が,男女別学出身者よりジェンダー・ステレオタイプが強いのではないかという仮説と女性に比べ,男性の方が自分の所属している男性という集団,つまり,内集団に対して,内集団ひいきしやすい傾向にあることから,ジェンダー・ステレオタイプが強くなるのではないかという二つ仮説を検討した。
方 法
調査協力者 調査協力者は,R大学文学部哲学科教育学専攻の137名であった。うち有効回答は130名で,男性67名・平均19.2歳(年齢幅18~24歳),女性63名・平均19.1歳(年齢幅18~23歳)であった。なお,男性の場合,計67名のうち11名が同性のみ群,17名が同性多め群,10名が同数群,29名が異性多め群,女性の場合,計63名のうち6名が同性のみ群,32名が同性多め群,14名が同数群,11名が異性多め群となった。
調査の使用尺度 使用尺度を表1に示した。
出身高校に関する事柄についての項目は,出身高校の男女比率の違いについて把握するための項目であり,詳しい項目内容は表2に示した。
結 果
出身高校,性差観,IDgroup,IDmember,肯定的共同性,否定的共同性,肯定的作動性,否定的作動性の8種類の得点を算出した。性差観得点を目的変数とし,その他の要因を説明変数とした重回帰分析を行った結果,表3のモデルが最も当てはまりが良かった。
出身高校×IDmemberおよび性別×IDmemberの交互作用(図1,2)を検討したところ,学級に同性が多い場合,IDmember得点が高いほど性差観得点が低い(t(123)=1.834,p=0.069)。反対に,学級に異性が多い場合は,IDmember得点が高いほど性差観得点も高い(t(123)=1.834,p=0.069)。また,男性の場合,IDmember得点が高いほど性差観得点も高い(t(123)=-1.674,p=0.097)。反対に,女性の場合は,IDmember得点が高いほど性差観得点が低い(t(123)=-1.674,p=0.097)。
考 察
問題で示した二つの仮説は,ともに支持された。よって,本研究では,男女別学か男女共学かという学校環境の違いから,集団への意識の相違が生まれ,ジェンダー・ステレオタイプにも影響を及ぼすという知見を得ることができた。
本研究では,伊藤(1997)の研究に基づいて,男女共学出身者の方が,男女別学出身者よりジェンダー・ステレオタイプが強いのではないかという仮説と女性に比べ,男性の方が自分の所属している男性という集団,つまり,内集団に対して,内集団ひいきしやすい傾向にあることから,ジェンダー・ステレオタイプが強くなるのではないかという二つ仮説を検討した。
方 法
調査協力者 調査協力者は,R大学文学部哲学科教育学専攻の137名であった。うち有効回答は130名で,男性67名・平均19.2歳(年齢幅18~24歳),女性63名・平均19.1歳(年齢幅18~23歳)であった。なお,男性の場合,計67名のうち11名が同性のみ群,17名が同性多め群,10名が同数群,29名が異性多め群,女性の場合,計63名のうち6名が同性のみ群,32名が同性多め群,14名が同数群,11名が異性多め群となった。
調査の使用尺度 使用尺度を表1に示した。
出身高校に関する事柄についての項目は,出身高校の男女比率の違いについて把握するための項目であり,詳しい項目内容は表2に示した。
結 果
出身高校,性差観,IDgroup,IDmember,肯定的共同性,否定的共同性,肯定的作動性,否定的作動性の8種類の得点を算出した。性差観得点を目的変数とし,その他の要因を説明変数とした重回帰分析を行った結果,表3のモデルが最も当てはまりが良かった。
出身高校×IDmemberおよび性別×IDmemberの交互作用(図1,2)を検討したところ,学級に同性が多い場合,IDmember得点が高いほど性差観得点が低い(t(123)=1.834,p=0.069)。反対に,学級に異性が多い場合は,IDmember得点が高いほど性差観得点も高い(t(123)=1.834,p=0.069)。また,男性の場合,IDmember得点が高いほど性差観得点も高い(t(123)=-1.674,p=0.097)。反対に,女性の場合は,IDmember得点が高いほど性差観得点が低い(t(123)=-1.674,p=0.097)。
考 察
問題で示した二つの仮説は,ともに支持された。よって,本研究では,男女別学か男女共学かという学校環境の違いから,集団への意識の相違が生まれ,ジェンダー・ステレオタイプにも影響を及ぼすという知見を得ることができた。